4人に1人は刑務所に戻ってくる…知的障がい受刑者の社会復帰 長崎刑務所の支援計画3コースとは
長崎刑務所のモデル事業対象者33人で見ると、入所回数は平均5.5回。最高12回。9割が窃盗の罪で入所しています。(2024年10月末現在) 知的障がいを持つ人の方は再犯に至るまでの期間が比較的短く、刑事施設への入所回数が多い傾向にあることもみえてきています。再犯防止を個人の力だけに任せることへの限界と、社会復帰に導く専門的な知識やノウハウの必要性が浮かび上がっているのです。 ■社会復帰へのコース 長崎刑務所の支援モデル事業では、入所時に面接などで受刑者の特性を確認、支援計画を作ってコースに振り分けます。 コースは3つ。 (1)ビジネスサポートコース…一般的な就労を目指すためビジネスマナーなどを学ぶ ・ビジネスマナー指導 ・刑務作業におけるジョブトレーニング (2)福祉的就労コース…出所後に福祉施設で働くことを目指す ・農園芸作業A ・体感協調プログラムA(和太鼓) (3)福祉サービス利用コース…出所後に福祉サービスを利用する人のため ・農園芸作業B ・体感協調プログラムB(和太鼓) ・感情表現プログラム(絵画) 各コースのプログラムでは農園芸作業を行ったり、協調性を養うために複数人で和太鼓の演奏するほか、全員が対人スキルアップの学習や犯罪防止学習などのプログラムを受講します。 さらに出所後を見据えての就労支援や帰省先の確保、福祉サービス利用のための助言といったサポートも行われます。 長崎刑務所の通常の受刑者は 午前6時40分…起床 午前7時50分~午後4時55分…刑務作業(休憩・昼食も) 一方でモデル事業の対象受刑者(例) 午前6時40分…起床 午前…刑務作業 午後…プログラム受講 ■「帰住先確保」は9割以上に 12月3日に行われたモデル事業の中間報告会。法務省によると、今年9月までに出所した28人のうち、 帰住先を確保できた…………27人(96.4%) 帰住先を確保した人の割合は、2022年の平均値より10ポイント以上高くなりました。 一方で 再入者(未決拘禁を含む)…5人(17.9%) となっています。