イチローの3000本達成が早まる2つの可能性
同記事は、来季外野手をどういう組み合わせで使うか、マッティングリー監督のイチローの起用法が、注目点だと指摘。センターのオズナをトレードに出した場合は、イエリッチがセンターにコンバート、デリック・ディートリッチがレフト、スタントンがライト、イチロー以外に、コール・ギレスビーがスポットで控え、ロースターに入っていないジャスティング・マクドエルがさらに控えているという。 マッティングリー新監督は、ドジャース監督時代からスタメンを相手の先発投手に応じて、右左の打者を変幻自在に起用していくことで有名。加えて右手を骨折したことで、今季復帰が間に合わなかったスタントンの故障の回復具合や、まだメジャー実績が3年しかなく、今季6月にマイナーから昇格、90試合、打率.256、10本、24打点の26歳のディートリッチがどこまでできるかも未知数。そうなるとイチローの対右投手用のスタメン出場など出番が増えることは間違いない。 今季からはバリー・ボンズが打撃コーチに就任したが、マッティングリー新監督が「外野をどういう組み合わせにするのか。イチローとボンズが同じチームで、仕事をすることも楽しみだ。ぜひ、イチローとボンズに会談を持ってもらいたい、私がマネジメントしたい」と語っているとも報じた。 マッティングリー新監督も、3000本達成にリーチをかけているイチローと、メジャー歴代最多アーチ記録を持つボンズとの“レジェンド”の合体がチームにもたらす相乗効果に期待をしているようなのだ。 打率は.229と低迷したイチローが、ボンズからの刺激で、復活へのヒントをつかむ可能性もなくはない。ぶれない哲学や理論を持ち、そのほとんどを独自に昇華させていくのがイチロースタイルだが、ボンズとなると別格だろう。その声に耳を傾け、高い次元のアスリート同士にしかわからぬ何かを得るかもしれず、ボンズとの遭遇も、また来季の出場機会が増え、3000本安打到達が早まりそうな要因のひとつ。 今季のイチローは前半戦に47本、後半に44本の合計91本のヒットを打った。月間平均は、15.2本。このペースで考えると、2016年8月には通算3000本を達成する計算になるが、来季の出場試合数や、今季398あった打数がさらに増えることになると、大記録達成は7月に繰り上げになるのかもしれない。