【水俣病、再懇談へ】1回では終わらない、信頼関係修復には時間 水俣病被害者の会・中山裕二事務局長(70)
-伊藤氏は「信頼関係の修復後」をタスクフォース解散時期と示唆しました。 「信頼関係を築くのは、なかなか難しいと思う。少なくとも、私がすぐに信頼関係を修復できましたと言うことはない。当事者である環境省職員が水俣病問題をよく分かっていない。発言打ち切りに対して形式上の謝罪はあったが、水俣病患者への仕打ちとしてどういう意味を持つのかという認識が浅い。メチル水銀被害を受けた人たちのことを思えば、マイクを切るなんてできない。マイクを切ったら周りがどういう反応をするか、そんな想像力さえないのが怖い」 「特に今回はっきりしたのは、医系技官の問題。環境省が認定基準や(総合的検討を求めた)新通知にこだわるのは、医系技官を守るためだ。結果として水俣病の病像をゆがめてきた。非常に根が深い問題だが、これ以上、先延ばしはできない。再懇談の中で超えるべき課題だと思う」 -水俣病問題の解決に必要なことは何ですか。
「公害健康被害補償法による患者認定を含め、今まで取り残されてきた全ての被害者救済が必要だ。水俣病とは何だったのかという検証や総括についても、2年後の公式確認70年に向けてやらないといけない。環境省は問題解決に向けて正面から取り組まないと、信頼関係は回復できない」