心理学のチカラでダイエットを成功へ、2つの「マインド改革」
肥満率がひたすら上昇する危機的な状況に陥り、何とかして体重を減らそうと必死になる人は増える一方だ。インターネットで「減量」と検索すれば、2つの現象が見えてくる。減量は、カロリーの摂取と消費がすべてだと主張するフィットネス系インフルエンサーが多数いる一方で、自分の体重が医学的に過体重や肥満とされる値になっていながら、500グラムほどの体重を落とすのにも苦労する人たちもいる。 「減量は、カロリーの摂取と消費がすべてだ」と考える人たちは、太りすぎなのは単に意志の力が弱いせいだと考える。一方で、減量はさまざまな要因が絡み合った多面的な問題であることを実感している人たちもいる。いずれにしろ、ダイエットを長く継続するのが難しいことは、誰もが否定できないはずだ。 大半の人は、最新のダイエット法や、新しいトレーニングを1週間、もしかしたら2週間ほど続けたとしても、最終的には、継続するのが非常に難しくて乗り越えられないことがわかってしまう。しかし例外的にではあるが、継続するための秘密を発見したかのような人もいる。望ましい体重まで見事に減量し、それを苦も無く維持している人だ。少なくとも表面上はそう見える。そうした人は一体、何をどのようにしているのだろうか。 結局のところ、その秘訣は、爆発的なモチベーションがあるからでも、魔法のような意志力があるからでもない。減量のための長期的なダイエットプランをやり抜く人には、いくつかの共通点がある。そこで、健康的かつ持続可能な方法で、ダイエットをやり抜く集団に仲間入りできるマインドセット改革を2つ紹介しよう。 ■1. 「自己認識」を変える いとこの結婚式に向けて体重を落とすべく、無謀なダイエットに挑戦すれば、短期的な成果は得られるかもしれないが、ダイエットとリバウンドを繰り返す悪循環にはまってしまうことは非常に多い。短期的なモチベーションは長続きしない。だからこそ、違う自分になって、新しい価値観で再出発しなければならない。 減量に向けた食生活を継続できるかどうかは、自己認識、つまり、自分自身や自分の行動をどのように見ているかによって、大いに左右される。この点を近年になって説いているのが、ジャーナリストのチャールズ・デュヒッグだ。デュヒッグは、2012年に出版したベストセラー『習慣の力』(邦訳:早川文庫)のなかで、自己認識を変えれば、習慣を変えることがずっと簡単になると述べている。 こんな風に考えてみよう。あなたがヴィーガンで、動物虐待について強い信念を持っている人だとしよう。自分は絶対に肉を食べない人間だと考えているだろうし、よほどのことが起きない限り、ステーキを食べさせようとしても無駄だ。それと同じことは、自分は健康的な食生活を送っている人間、あるいは、健康的なライフスタイルを維持している人間だ、と考えている場合にも当てはまる。 自分はそういう人間だと考えることで、それが事実であることを自分にも他人にも証明してみせようとして、しかるべき行動をとる可能性が高くなる。ということで、単純に聞こえるかもしれないが、時間をかけて体重を落としたいなら、まずは、自分という人間をどう見るか、ということを変えるところから始めよう。