「秩父事件」140周年シンポジウム 地域の視点から事件の持つ意義を再考
1884(明治17)年に秩父地方などの農民らが蜂起した「秩父事件」の140周年シンポジウムが11月10日、秩父市福祉女性会館(秩父市野坂町)で開かれる。主催は秩父事件研究顕彰協議会。(秩父経済新聞) 【写真】秩父事件研究顕彰協議会の会報は2カ月に一度発行している 当日は、関西学院大学教授・高島千代さんの報告「秩父の人々は何を考えてきたか」、秩父事件研究顕彰協議会事務局長・吉瀬総さんの報告「秩父事件はどう見られてきたか」、元町田市立自由民権資料館学芸担当・杉山弘さんのコメント、長尾敏博さんの「民権演歌」の演奏、質疑応答などが行われる。井出為吉蔵書などの写真、秩父事件関連書籍約40冊の展示も行う。 高島さんの報告では、秩父事件を支えた近世・近代的な価値観が「秩父」という地域でどのように形成され事件につながったのか、事件参加者にとどまらない秩父の人々が事件とどう向き合ったのか、「秩父」という地域の視点から秩父事件が持つ意義について再考する。 吉瀬さんの報告では、主に歴史学者が秩父事件をどのようにして論じてきたかを振り返り、1980年代以降の秩父事件論を整理し、秩父事件がどのような思想を理念として闘われたのかを展望する。吉瀬さんは「今から140年前に、秩父の先人たちが『自由』や『生きる権利』に目覚め、その実現のために生命を賭した記録を残したい」と意気込む。 同協議会は11月3日、秩父事件の概要、事件の背景、その後などについて最新の研究成果に基づいてまとめた「最新・秩父事件ー生きる自由を求めて」をオンデマンド出版した。 開催時間は13時30分~16時30分。参加無料(資料代500円)。定員は80人程度。事前申し込み不要。
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