「赤みが出るのは効いてる証拠」ってウソ?ホント?「レチノール」の気になる噂をドクターが解説!
肌に赤みや皮むけが生じる現状が、「A反応」というワードでバズった「レチノール」。赤みは効いている証拠だから我慢すべき? 併用するとNGな成分はある? 知っているようで知らないレチノールの効果と使い方を、皮膚科医の髙瀬聡子先生に聞きました! 美容エディターが厳選。注目のレチノールコスメ3選
【疑問1】レチノールってシワに効くってホント?
髙瀬 本当です。レチノールは「ビタミンA」の一種で、肌細胞の増殖や、ターンオーバーを促す働きがあります。また真皮の線維芽細胞を刺激して、コラーゲンの生成を促す働きも。肌を内側からふっくら保ち、シワの改善が期待できます。 ――シワだけではなく、他の肌悩みにも効果があるんですか? 髙瀬 新しい肌が生まれる効果によって、色素沈着の治療にも使われます。シミやくすみの改善ですね。同じ理由で、毛穴、ニキビやニキビ跡の改善にも力を発揮します。
【疑問2】クリニックで使う「レチノイン酸」と「レチノール」は同じもの?
髙瀬 大枠の分類は同じですが、活性が全然違います。ビタミンAとその類似の働きをするものを、まとめて「レチノイド」と呼びますが、2つとも「レチノイド」に分類される成分なんですね。肌に浸透すると「レチノール」の一部が「レチナール」に変換され、さらにその一部が「レチノイン酸」に変換されて、細胞の増殖やターンオーバー促進に作用します。 ――レチノールとレチノイン酸では肌への効果が違うんですか? 髙瀬 「レチノイン酸」が最も活性の高い成分です。効果が期待できるぶん、赤みや皮むけなどの副作用があります。クリニックで使う外用薬の「トレチノイン」は、レチノイン酸の一種で、医師の処方が必要です。 一方で「レチノール」には誘導体が存在しており、化粧品に安定して配合することができます。前述の通り、肌の中でレチノイン酸に変わりますが、トレチノインの外用薬に比べると作用はマイルドです。
【疑問3】「A反応」は効いてる証拠? 赤くなっても我慢すべき?
髙瀬 ビタミンAを使用すると、肌に赤みが生じたり、皮むけするケースがあり「ビタミンA反応」と呼ばれています。クリニックで使用する「トレチノイン」は、一時的にこのような反応が出るケースがほとんどです。痒みが生じて肌に触ってしまうような場合は、使用頻度を下げて頂きます。 ――化粧品のレチノールの場合、A反応はどう対処すべき? 髙瀬 化粧品の場合、一時的に赤みが出ても、きちんと保湿して肌状態が悪化しなければ、使用を続けて大丈夫です。ただし、我慢できないほどのピリピリ感や、かゆくて肌に触れてしまうような状態だと、炎症悪化や色素沈着の原因になります。このような場合は無理して使わずに、一旦中止して下さい。