マー君の代理人を巡って争奪戦勃発!
楽天の田中将大選手の交渉代理人を巡って水面下で争奪戦が起こっている。日本に在住しているメジャー球団のスカウトの間で話題になっているのは、「マー君の代理人は誰なんだ?」という問題。紛糾中のポスティングシステムが日米で合意され、入札が終わると次に待っているのは、楽天球団ではなく、田中サイドとの条件交渉。 [表あり]マー君と江川卓の共通点とは
もし新しいポスティングシステムが、複数の球団が交渉できるルールに変わるならば、複数の球団が直接交渉する機会を得る可能性が高まるだけに、なおさら、その窓口となる代理人との関係を一日でも早く作っておきたいと考えるのも当然だろう。 だが、その代理人が、未定なのだ。 「日米の代理人には、一度は、挨拶をしておきたいんだけど楽天側に聞いても『決まっていないようです』という返事。いろいろと調べてみたけれど、本当にまだ決まっていないらしいんです。『誰が断られた』。『誰が駄目だった』。そんな話ばかりが耳に入ります」 日本在住のメジャー関係者が、そんな話を教えてくれた。 日本の選手が、メジャーに挑戦する場合、日本人の代理人とメジャーに精通している海外の代理人の2人に交渉を任すことになる。日本のエージェントグループは、それぞれ専属契約している海外の代理人がいてセットのように動く。野茂英雄やダルビッシュ有の代理人を手がけた団野村氏は、アラン・テレムを使うし、旧吉本系の代理人はオクタゴングループと組んでいる。 イチローは、オリックスの広報だった人間が独立して立ち上げた事務所が、日本の代理人でメジャー球団との交渉はトニー・アタナシオだ。年俸交渉と同時にサイドレターと呼ばれる分厚い束になるほど細かい条件面を交渉する必要がある。例えば、日米の往復航空券を球団は年に何回負担するのか、席はファーストクラスなのかという細かい約束事だ。メジャー球団との交渉に精通している海外代理人と組まなければ、より良い条件は獲得できない。 基本的に海外の代理人は、年俸の一部を報酬として受け取る。平均的には3%~5%と言われている。ダルビッシュの場合、6年総額60億円の大型契約だったから、5パーセントで換算すれば3億円だ。日本の代理人は、その年俸からの報酬を海外代理人とシェア、プラスして日本でのCM出演などスポンサー関係、テレビ局などとの取材のとりまとめ、出版などの業務を整理して、その収入の一部を得る。これは10%~30%と言われている。