「同じネタを20年」再ブレイク中の“一発屋芸人”たち、不倫報道から奇跡の逆転を果たした者も
再起を図る多くの芸人が、自らが一発屋であることをネタにする中、頑なに「一発屋と呼ばれたくない」と公言するのがヒロシ。
テツandトモや小島よしおは営業で引っ張りだこ
約20年前の大ブレイク時には最高月収が4000万円だったことを明かしているが、極度のあがり症などが原因で絶頂期は長く続かず。何年も表舞台から姿を消していたものの、'15年ごろに再び“キャンプ芸人”の先駆けとして脚光を浴びた。 「一発屋芸人同士でつるまず、慣れ合わない。非常に珍しいタイプですが、芸人とは本来こういうもの。プライドの高さ、意固地さ、生きづらさが独特の個性となり、プラスに作用しているように感じますね」 ソロキャンプに密着するレギュラー番組は、6年目を迎える長寿番組に。ロックバンド「スパイダーリリー」のベーシストとしても活動中だ。 「自身の生きづらさをごまかさず、やりたいことしかやらない方針を貫いて、たまたまうまくいったのがヒロシさん。非常に危うい人生ですが、そこが彼のすごさ。一発屋と呼ばれる芸人の中で、最も成功しているのが彼なのではないかと個人的には思います」 一発屋のようで実は一発屋ではない、そんな不思議なコンビがテツandトモ。'98年にコンビ結成後、「なんでだろう~♪」のリズムネタで一躍売れっ子に。 当時大人気だったネタ番組『爆笑オンエアバトル』(NHK)や『エンタの神様』(日本テレビ系)の常連になるものの、共に'10年に番組は終了。と同時に、テレビから姿を消したかに見えた。 「実際は地方のお笑いライブや営業に、20年以上ずっと引っ張りだこ。テレビで顔を売ってから全国を回る、演歌歌手のようなスタイルで息の長い活動をされています」 同じネタを20年以上やり続け、飽きられない秘密は? 「ネタの着眼点も素晴らしいですが、なんといっても2人が出てくるとステージが一気に華やぐ。遠くからでも動きや声がはっきりと伝わるんです。50代半ばになってもパフォーマンスがまったく衰えない、その努力も素晴らしいですね」 小島よしおもテツトモ同様、一発屋のように見えて息の長い芸人のひとりだ。 「子ども向けの芸風に完全にスイッチしたのが、彼の頭のいいところ。飽きられても子どもたちは次々に生まれますから仕事は途切れない。同じ芸でも、見せる相手を変えれば何度でも通用するいい例です」 「小島よしおのおっぱっぴー小学校」という子どもに算数を教えたりするYouTubeチャンネルを持ち、チャンネル登録者は16.3万人と好調だ。今年待望の第1子が誕生し、パパ芸人としても新たな境地を開いている。 「早稲田大学出身のインテリで、芸は下品でも本人は決して下品じゃない(笑)。テツトモと同じく、20年たってもパフォーマンスや体形は変わらず。もはやアスリートです」 ネタ番組が次々と終了し「一発屋すら生まれない」といわれる厳しい時代に、二発目、三発目を狙うかつての一発屋たち。次なる再ブレイクを遂げるのは、はたして? ほうせん・かおる アイドル・二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)