山田裕貴『ウルトラマン』との出会いは運命 戦隊デビューから13年、再確認した特撮の影響力
そんな山田を手助けしたのが、友人である声優・木村昴だった。「木村昴くんに教えを請い、『台本の秒数を計り、いつ鼻で息を吸うのか、口で吐くのか、何回息つぎをしたのか確認する』など色々とアドバイスをもらいました。教えてもらった通りにまずはメモを取るところからスタートしました」
「ゴーカイジャー」から13年…実感する特撮の影響力
山田の俳優人生の原点でもある「ゴーカイジャー」から13年。当時リアルタイムで応援していた後輩俳優たちから「観てました」と言われることも多いそうで、「『自分がそんなに年を取ったんだ……』と感じると同時に嬉しさもあります」と改めて特撮の影響力を再確認する。 同作がテレビ放送されていた2011年、東日本大震災が日本列島を襲った。山田は「『僕たちの仕事は物理的には人を救うことができない』ということを痛感させられました」と当時を振り返る。
「自分はヒーローを演じているのに、みんなのことを救うことができない。『自分の仕事ってどういう意味があるんだろう?』と考えた時期でした。でも、作品が広がることで『頑張ろう』と思ってもらえるかもしれないですし、テレビを通してヒーローの姿を届けることによって、みんなに元気を与えることができるかもしれない。そういったことを感じることができました」
海外にも熱狂的なファンが多い特撮はもちろん、山田が出演した『ゴジラ-1.0』が米アカデミー賞で日本映画初の視覚効果賞を受賞するなど、日本のコンテンツが世界で戦えることを証明している。「『日本なんて、海外に行ったら通用しない』という声が多かった中、『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督は海外で戦うことができることを証明してくださった。Netflixさんを筆頭に日本の作品が世界で戦っていることにすごく勇気をもらっていますし、俳優としての励みになります。それは、ヒーロー映画だからとか怪獣映画だからとかは関係ありません。『日本の作品がすごい』ということが伝わったらいいなと思いながら、応援してくださるみなさんの声を力に変えて進んでいます」と微笑んでいた。(取材・文:編集部・倉本拓弥、撮影:中村嘉昭)
Netflix映画『Ultraman: Rising』2024年6月14日(金)全世界独占配信