大阪・泉南中1自殺、母親が会見「市教委は、私たち家族と向き合って」
大阪府泉南市で令和4年3月、市立中学1年の松波翔さん=当時(13)=が自殺した問題で、第三者委員会が報告書を公表したことを受け、母親の千栄子さんが代理人の弁護士とともに同府泉佐野市内で会見し、「市教委は、私たち家族に向き合ってほしい」と訴えた。 【写真】大阪・泉南市中1自殺、教育長「生徒と信頼関係が築けなかった」謝罪 報告書では翔さんが小学3年のころ、学校での不適切な指導をきっかけにいじめを受けるようになったと指摘。千栄子さんは「教師の不適切な対応からいじめが始まり、その後の対応も悪かったから最悪のケースになったことを理解してほしい」と強調し、市教委側にも事実を認めるよう求めた。 第三者委の報告書提出後に市教委からの直接の謝罪は受けていないとした上で、「学校、市教委からも連絡が来ておらず、拒絶されているとしか捉えられない」と憤った。 また、不登校となった翔さんが進学を志望する高校ができ、中学に通おうとしていたと明かし、「学校に行きたかったが、先生たちを信頼できなかった」と説明。一方で、中学ではなくフリースクールに通う場合には内申点が付かず、高校進学が難しいとの問題点があったとした。 問題を巡っては、翔さんの死亡後、遺族と市教委の信頼関係が崩れて調査が進まず、市長部局が昨年1月、第三者委を設置する異例の事態になっていた。先月末の第三者委の報告書公表を受けて、市教委は今月3日に会見を開き、冨森ゆみ子教育長が「生徒と信頼関係が築けなかった」と謝罪。山本優真市長も再発防止に取り組む方針を示した。