国民民主・玉木雄一郎氏を待ち受ける3つの壁 「103万円」「代表復帰」「参院選」
国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は6日、新年の政治活動を本格化させた。昨年は10月の衆院選で党を躍進させ、キャスチングボートを握って一躍、時の人となった。今年は看板政策「年収103万円の壁」の引き上げや役職停止中の代表への復帰、さらには参院選という3つの「壁」が待ち受ける。元陸上選手の玉木氏はどうハードルを乗り越えるのか。 ■178万円を目指す 「まずは、やはり賃上げです。そのためにも178万円を目指します」 玉木氏は6日、自らのX(旧ツイッター)にこう投稿し、控除額178万円までの引き上げに全力を尽くす決意を強調した。 代表職の代理を務める古川元久代表代行は4日の年頭記者会見で、控除額引き上げの結論を出す期限は「令和7年度予算案の衆院通過前後の2月末から3月頭がデッドラインになる」と指摘した。 ただ、自民、公明両党との協議は平行線が続く。玉木氏は年末年始も、Xや動画投稿サイト「ユーチューブ」で控除額引き上げの必要性を繰り返し訴えており、今後も世論喚起を図る構えだ。 ■3月に役職停止期間終了 引き上げのデッドラインと位置づける「3月頭」には、不倫問題に伴って党から玉木氏に下された3カ月の役職停止期間が終わる。党の創業者で「広告塔」でもある玉木氏の復帰は既定路線だが、党内には役職停止期間中にもかかわらず精力的に露出する玉木氏の姿勢に戸惑いもあるという。 もっとも玉木氏本人は、自らを含めた所属議員の露出が減れば「一瞬にして(支持率が)数%に逆戻りする」と強気だ。党内の理解を得て円滑に復帰を果たすことができるかが焦点となる。 ■衆院選とは異なる戦い方 国民民主は、玉木氏のもとで臨んだ衆院選で若年層を中心に支持を広げ、公示前の4倍の議席を獲得した。選挙後は国民民主と与党の駆け引きが連日報じられるようになり、世論調査の政党支持率では、立憲民主党を抜いて「野党第一党」に躍り出るケースも多い。 ただ、今年最大の政治イベントである参院選は、一つ一つの選挙区が広い上、比例重複立候補の制度もなく、衆院選とは戦い方が異なる。参院選で結果を出せなければ、国民民主の存在感も一気にかすむ。
玉木氏は「今年はへびのように脱皮する」と周囲に意気込みを語るが、一皮むけることができるかが試される正念場の一年となりそうだ。(永原慎吾)