海外から来たディープインパクト産駒ラストランを陣営が語る「花道を飾るレースはジャパンC以外に考えられなかった」
21日朝、ジャパンカップの公開調教が東京競馬場で行われ、オーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーンの3頭がダートコースで最終調整を行った。 【写真】 その後、行われた記者会見では、初来日したA.オブライエン調教師が登壇。ジャパンCを最後に引退する予定の管理馬オーギュストロダンについて語った。 「(オーギュストロダンの)父がディープインパクトということで、日本に来てレースで戦うことは私にとって、そしてオーギュストロダンにとっても夢でした。ジャパンCが非常に難しいレースというのは理解していますし、またライバル馬たちも手ごわいことも知っています。しかしながら、オーギュストロダンの最後のレースとして花道を飾るのは、このジャパンカップにおいて他にないと思っていましたし、これは私の夢でしたので、ぜひここで最後に良いレースをしたいと思っていました」 父であるディープインパクトの印象について問われると、 「皆さんのほうがよくご存じのように、ディープインパクトが素晴らしい競走馬であったことは、言うまでもありません。種馬としても優秀で、ディープインパクトの種が欲しいとずっと思っていましたし、母ロードデンドロン、母の父もガリレオというトップホースでしたので、その馬を掛け合わせて、本当に素晴らしいオーギュストロダンが生まれました」 と、種牡馬としても高い評価をしていたことを明かした。さらに現役時代、「飛ぶ走り」と評されたディープインパクトの仔にその走りが受け継がれているか聞かれた師は、 「騎乗した際にどのように感じるか、いつもジョッキーに聞くんですが、やはりオーギュストロダンも非常に特別な走りすると言っています。少し乗っただけでもストライドの違いがわかると。駆けるというより、非常に素早く力強く、そして流れるような走りだと。(武豊騎手が走りの違いをディープインパクトに感じたように)やはりオーギュストロダンもまた他馬とは違う感覚をジョッキーに与えているのだと思います」 また来日後の状態、追い切りにも言及しつつ、 「日本に到着以降もよい状態をキープしており、昨日は芝で追い切りましたが、良好な芝状態で走ることができました。オーギュストロダンは、(勝ちたいという)気持ちで走ってくれる馬だと思っていますし、今はこれ以上ないくらいこの馬の状態には満足しています。ジャパンCは非常に権威のあるレースで、世界を見渡していてもベストなレースのひとつです。非常に難しいレースになると思っていますが、そのようなレースで世界の強豪馬とぶつかるのは意義のあることですし、勝ちたいと思っています」 と、ジャパンCへの手ごたえを口にした。そして、レース後に行われる外国馬として初の引退式についても、 「とても特別なことだと私たちも思っていますし、心からの感謝を申し上げたいと思います。 本当に素晴らしいことですし、日本の人々がいかにオーギュストロダンを愛してくださっているか、そしてディープインパクトを本当に大切に考えていらっしゃったかということがわかると思います。私たちにとっても素晴らしいイベントとなると思いますし、皆さんが来てくださることを楽しみにしています。このような引退式を行っていただけることを誇りに思い、とても嬉しく思っています」 昨日は、美浦トレセンなどJRAの各施設を見て回ったオブライエン師だが、最後に初来日の感想について、次のように語った。 「日本に来て、ジャパンCで勝つというのは夢でした。非常に難しいレースだともわかっています。非常に多くのことが関わってきて、時間がかかることもわかっていましたが、信じられないくらい素晴らしいことだと思っています。昨日もさまざまな施設などを見学しましたが、施設もそこに働いている人々も細かいところまで気配りができていて、本当に素晴らしいと思いました。働いている人たちも控えめながらもお互いに尊重し合っていて、自己犠牲的で自分を表に出さずに、皆さんが協力しながらやっている。これは世界でもなかなか見られない、本当に素晴らしい環境だと思います」