お値打ち株の見つけ方…株投資「お宝銘柄」に共通する会社の懐事情があった
新NISAがはじまり、株式投資を始めたあるいはこれから始めるという人もいるでしょう。 【写真】5年後、10年後に「生き残る会社/消えている会社」を実名公開! 投資初心者がお宝銘柄を探すにはどうすれば? 1冊で2000ページにも及ぶ『会社四季報』を27年間で108冊全ページ読破する渡部清二さんが新著『そろそろ投資をはじめたい。』(サンマーク出版)で明かしている、お宝銘柄の探し方の一つが「健全性 財務の評価を見極める」こと。本書から一部抜粋、再構成してお届けします。
健全度の目安は自己資本比率30%以上
企業の財務状況が健全かどうか。「健全性」がいかに重要かは、株式投資の経験がなくても感覚的にご理解いただけるでしょう。 一般家庭で考えてみましょう。高い年収を得て、大きくて立派な家に住んでいる人がいるとします。その人の総資産額は3億円です。ところが、住宅ローンが2億5000万円あったとしたらどうでしょう? その家の経済状況は決して「健全」とはいえません。 企業もこれと同じで、A、Bブロックで見える特色から企業の特徴・強みがどんなに魅力的に感じられたとしても、財務上の健全性が確保できていなければ投資先としては向かないのです。 そこでまず、企業の「自己資本比率」を見ましょう。自己資本比率は『会社四季報』記載の個別銘柄ごとのページで言うところのEブロック【財務】欄に掲載されています。 健全度の目安としては、30%以上は欲しいところです。私は「50%±20%」を妥当な数値だと考えていて、次のように評価しています。 自己資本比率と健全性 70%以上 ◎ 50%以上70%未満 ○ 30%以上50%未満 △ 30%未満 ×
株価の見るべきポイント
ここで、「PBR(株価純資産倍率)」という指標を見てみましょう。 自己資本比率に続いてPBRを見るのには、理由があります。それは「資産価値に対して株価が安いか」を測れるからです。別の表現を使うと「バリュー株かどうか」がわかります。 バリュー株とは「割安株」とも呼ばれ、企業が生み出している利益や保有資産などに対して、株価が低い状態にある銘柄を指します。「バリュー」の定義によっても見方が変わるのですが、本書では自己資本に対して、株価が割安な「資産バリュー株」を指します。ちなみに、バリュー株の反対は「グロース株」です。 バリュー株には、条件があります。その条件とは、次の三つです。 1 自己資本比率70%以上 2 PBR0・8倍以下 3 株価上昇を期待できる「カタリスト」がある 1の自己資本比率は先ほどお伝えしました。 また、3のカタリストとは、直訳すると「触媒」を指し、株価変動のきっかけ、またはその要因という意味で使われます。「株価が上がるきっかけ」とか「株価を押し上げる原動力」とざっくりと覚えても大丈夫です。 カタリストは難しく考える必要はありません。「連想ゲーム」だと思ってください。