「彼しかできない」2度目の満票MVPの大谷翔平 元メジャー投手たちも驚く「覆された3つの常識」
メジャーリーグ・エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平(29)が日本時間17日、今季のアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。 【画像】ネットも騒然……大谷に撫でられる有名犬にSNSでは「あの犬になりたい」声続々…! 9月に右ひじの手術を受けたため、シーズン終盤は出場できなかったものの、44本塁打を放ち、日本人選手初の本塁打王に輝いただけでなく、投手でも10勝5敗で史上初の2年連続「2桁本塁打、2桁勝利」を達成。2年ぶり2度目の栄誉は、満票での受賞だった。 FRIDAYデジタルでは元メジャーリーグ投手の藪恵壱氏や元プロ野球投手に大谷のすごさを取材。彼らの証言から、大谷がプロ野球界で長く言われ続けてきた「3つの常識」を覆していたことが明らかになった。9月26日に公開した記事を一部改変して公開する。 ◆再び常識を覆したシーズンに 「けがをしてシーズン途中で終了してしまったこと自体は残念ですが、彼しかできないことをやってくれました。今年はワールドベースボールクラシック(以下WBC)があったので、3月から6ヵ月走り切って10勝、40本。2年連続で2ケタ勝利、2ケタ本塁打はあのベーブ・ルースさえできなかったことです。“野球の神様”を超えたわけですから、数字についてはすごいの一言ですよ」 そう明かすのは阪神のエースとして活躍、メジャーでも登板しプレーした経験のある藪恵壱氏だ。 8月24日、エンゼルスの大谷翔平(29)が右ひじじん帯を損傷。現地時間9月19日に手術を受けて、今季はプレーする可能性はなくなった。しかし大谷は今季、44本塁打を記録。1か月以上プレーができなかったが、日本人メジャーリーガーとして初の本塁打王に輝いた。藪氏は大谷が覆した「3つの常識」の1番目にあげたのは、アメリカで長く言われ続けてきた「日本人はパワー不足」という定説だった。 「大谷が『パワー不足』と思われてきた日本人のイメージを変えてくれています。日本で50発打った松井秀喜でもメジャーでは本塁打王にはなれませんでした。毎年200安打を記録したイチローが出てきたことはメジャーリーグに衝撃を与えたと思いますが、大谷は今季、それぐらいの衝撃を与えることができたと思いますし、タイトルを取ったことで、メジャーの中での日本人選手のイメージを変えられたのではないかと思います」(藪氏) 大谷はまだ日本にいたときから、「メジャーでタイトルを取る」意識があったのだろう。大谷が日本ハムに在籍していたとき、パ・リーグのある球団で打撃投手をつとめていた元投手は偶然、大谷のウェートトレーニングの内容を垣間見た。登板2日前にも関わらず下半身を追い込むデッドリフトを行っていた判明。これが「覆された常識」の2つ目だ。元投手がこう明かす。 「日本ハムが優勝した’16年のときだったと思いますが、公式戦がはじまった後、私がウェートトレーニングをする前に、遠征で来ていた日本ハムの投手陣がウェート場を使っていて、大谷もいたんです。彼は登板2日前だったのですが、デッドリフトをやっていました。 このトレーニングは地面に置いてあるバーベルをおもに背中、お尻、足を使って持ち上げるトレーニングで体にはかなり負担がかかります。大谷選手が持ち上げたバーベルがそのまま残っていたので、私は試しに持ち上げてみたのですが、持ち上がらなかった(笑)。おそらく重量は170㎏ぐらいあったのではないかと思います。 私も一軍経験はありますけど、登板2日前にここまで激しいトレーニングはできません。基礎体力がそもそも違うんだなと思いましたし、当時から近い将来、メジャーに行く、といわれていたので、見ているところ、目指しているところが違うんだなと思いました」