日鉄の新提案は「失敗する運命」と米労組、長期的な確約欠如を批判
[2日 ロイター] - 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画に反対する全米鉄鋼労働組合(USW)は2日、日鉄が承認取得に向け提示した新たな案に懸念を表明した。 関係筋が今週明らかにしたところによると、日鉄は買収計画の承認取得に向け、USスチールの生産能力を削減する場合に米政府が拒否権を持つことを提案した。 USWはこの提案について、長期的な生産維持や国内の統合設備における生産能力強化を約束するものではないと批判。「生産能力の保護は、設備を休止状態にし、再稼働が不可能になるほど劣化させることを意味するだけだ」とウェブサイトに掲載した声明で述べた。 提案は「失敗する運命にある」と指摘した。 USスチールはUSWの声明を受け、「この取引は従業員、地域社会、顧客を含め、USスチールが将来にわたって繁栄するための最善の方法であることに変わりはない」と述べた。 対米外国投資委員会(CFIUS)は先週、同買収案を巡る国家安全保障上のリスクについて合意できなかったとホワイトハウスに通知。承認または阻止の決定をバイデン大統領に委ねた。バイデン氏は1月7日までに決定を下す必要があり、判断を示さなければ買収計画は自動的に承認される。 日鉄はロイターのコメント要請に現時点で応じていない。