【大分】深刻化する“カスハラ” 実態と対策は
大分朝日放送
客や利用者から暴言や理不尽な要求を受ける「カスタマーハラスメント」への対策が行政や企業で進められています。 大分県もマニュアルを作成しました。 長時間の電話を強いられたり大声で乱暴な言葉を受けたりする「カスタマーハラスメント」 大分県が2024年、職員を対象として実施したアンケートでは2361人のうち約1100人がカスハラ被害を受けたことがあると回答しました。 こうした結果を受け、大分県は6日カスハラへの対応をマニュアルにまとめ職員に共有しました。 県人事課 山口啓介さん 「苦情やクレームをいただくことがあるがただちにカスハラではないとは言っても著しく不当な要求には組織として毅然とした対応をしていかないと職員が安心して働くことができない」 深刻化するカスハラ。 その実態や、行政や企業はどう対応しているのか詳しく解説します。 社会問題にもなっているカスハラですが近年、自治体や企業で対策が進められています。 まず、大分県のカスハラ被害の実態を見ていきます。 2024年、県が職員を対象に行ったアンケートです。 結果をみるとカスハラを受けたことがあると答えた人が46.8%、ほぼ半分ですね。 そして、見聞きしたことがあると答えた人が15.2%となっています。 どういった事例があるかというと丁寧に説明しても1~2時間電話で対応できないことを要求されたり、怒鳴られて侮辱され最後には土下座を強要されたりしたこともあったといいます。 こういったカスハラ被害を防ぐために県はおとといマニュアルを策定しました。 対策としてはまず名札表記を名字のみのひらがなにしました。 こちらは2024年の秋ごろから進められているそうですが、漢字のフルネームを表記せず個人情報を守るための対策です。 続いてアンケートでも多いという結果が出ていた不当な長電話を終了させる繰り返し同じことを長い時間電話で要求される場合「電話を切らせていただきます」と伝えて強制終了をしても構わないということです。 また暴言や乱暴な言い方についても「やめてください」と拒否することができます。 状況にもよると思いますが今まではあいまいだった対応がマニュアル化されることで職員の安心感につながりそうですね。 対策が進められているのは自治体だけではありません。 民間企業では2024年ごろからカスハラ対策をするところが増えてきています。 大分銀行ではお客さんと行員が直接やり取りする窓口でのトラブルがやはり多いそうですが、例えばこのような事例がありました。 口座開設のため本人確認をすると「みんなの前で恥をかかされた」と土下座や全国広告での謝罪を強要されたということです。 対応としては、まず窓口にポスターを貼って警告をしています。 それでも聞き入れてもらえない場合などは警察や弁護士に相談するケースもあると言います。 そして、大分フットボールクラブも2024年の3月、声明を発表しています。 選手や監督の人格を否定したりSNSやインターネット上で誹謗中傷したりした場合試合やイベント会場への入場を断る可能性もあるということです。 社会問題にもなっているカスハラに対応するため国は2020年に指針を発表しています。 お互いが気持ち良く社会生活を送れるように自治体や企業側は対応策を講じ、利用者側はカスハラにあたらないか考えることが必要と感じました。