ドラフト指名漏れから…“プロ注目”高校生投手の進路は?
2024年を迎え、アマチュア野球界では高校生や大学生の進路が次々と明らかになってきている。昨秋のドラフトでプロ志望届を提出したものの指名がなかった選手たちも、気持ちを切り替え次のステージでの戦いに向けた準備を進めている時期だ。今回は、「指名漏れ」を経験した注目の高校生投手5人を厳選し、進路やこれまでの経歴を紹介する。
仁田陽翔(仙台育英)
仙台育英では「150キロトリオ」の1人に数えられた最速151キロ左腕。甲子園には優勝を果たした一昨年夏を含めて3度出場しており、威力のある速球で聖地を沸かせた。 NPBスカウトの注目度も高かったが、高卒でのプロ入りはならず。東都大学リーグ2部の立正大に進み、4年後の指名を目指す。 中学時代は佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)らを輩出した大船渡一中でプレー。仙台育英では1年春からベンチ入りし、公式戦のマウンドにも上がった。2年夏の甲子園は2試合、4回を投げ5奪三振無失点と好投し優勝に貢献。 3年春の東北大会では自己最速151キロをマークし、夏も甲子園の花巻東戦で最速149キロをたたき出すなど、高校野球引退まで進化を続けた。 キレのあるスライダーも武器で、潜在能力は申し分ない。課題となっている制球力が改善されれば、4年後の上位指名は見えてくる。戦国東都で揉まれ、どんな投手へと成長するか楽しみだ。
東恩納蒼(沖縄尚学)
抜群の制球力を誇る最速147キロ右腕。昨夏は沖縄大会から47回3分の1連続無失点の快投を続け、沖縄尚学を春夏連続となる甲子園8強入りに導いた。U18日本代表でも活躍した、世代屈指の好投手だ。 一時は大学進学の意向を示していたが、一転してプロ志望届を提出。指名はなかったものの、4年後のプロ入りを目指し強豪の中央大で実力を磨く。 高校時代は2年秋からエースナンバーを背負い、3年春のセンバツでは2試合連続で完投勝利を挙げるなど躍動した。昨夏は沖縄大会で31回3分の1無失点と圧巻の成績を残すと、甲子園の初戦でも完封勝利をやってのけ、「ミスターゼロ」と称された。 また、U18W杯でもプエルトリコ戦で参考記録ながら5回完全試合を達成するなど計11回を無失点に抑え、世界一に貢献。投手としての総合力は申し分ない。 中大は昨秋のドラフトで読売ジャイアンツから1位指名を受けた西舘勇陽ら好投手を次々と輩出している。偉大な先輩たちに続くことができるか、注目だ。