ドラフト指名漏れから…“プロ注目”高校生投手の進路は?
黒木陽琉(神村学園)
昨夏の甲子園で注目を浴びた最速147キロ左腕。速球と「モイネロカーブ」と称される落差のあるカーブが武器で、180センチを超える高身長と長い手足も魅力的だ。 しかし、昨秋のドラフトでは名前を呼ばれなかった。高校卒業後は亜細亜大に進学する予定だ。 黒木の名が全国に知れ渡ったのは、昨夏の甲子園。全5試合に救援登板し、計22回3分の2を投げ23奪三振、防御率1.99と好投しチームの4強入りに貢献した。 長身から投げ下ろす直球とモイネロ(福岡ソフトバンクホークス)を参考にしたというカーブのほか、スライダーやチェンジアップも一級品で、高いポテンシャルを誇る。国体での高校ラスト登板で自己最速147キロを更新したように、伸び代も十分だ。 昨秋のドラフトで1位指名の投手が続出した東都大学リーグで活躍すれば、自ずと4年後の上位指名は見えてくる。故郷の九州を離れワンランク上の投手を目指す。
ハッブス大起(東北)
米国人の父と日本人の母を持つ最速145キロ右腕。高身長で、OBのダルビッシュ有(パドレス)に憧れて東北に進学したことから、「ダルビッシュ2世」とも呼ばれた。 高卒でのプロ入りは果たせず、春からは社会人野球の名門・ENEOSでプレーする。 中学時代から140キロ台の速球を投げ、高校では1年春から公式戦のマウンドに上がった。2年秋にはエースの座をつかみ、県大会決勝では夏に甲子園優勝を成し遂げたばかりの仙台育英相手に6回無失点と好投し優勝に貢献。 東北大会でも準優勝し、3年春はセンバツに出場した。センバツの初戦では全国デビューを果たすも、5回途中2失点で降板し敗戦投手に。夏は甲子園にたどり着くことができなかった。 3年次の悔しさをバネに、社会人野球で進化を遂げることはできるか。最短3年でのプロ入りに向け、次のステージへ進む。
篠崎国忠(修徳)
190センチを超える高身長から150キロ近い速球を投げ下ろす大型右腕。甲子園出場経験こそないものの、関東屈指の好投手として注目されていた。 高校卒業後は四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに入団し研鑽を積む。 修徳では1年秋から公式戦で登板し、その後もエース格の働きを続けた。体重を大幅に増やした3年次は投球の凄みが増し、夏の東東京大会では準々決勝敗退ながら計14回を投げ防御率0.00と躍動。 5回戦の錦城学園戦では97球完封勝利を挙げた。大柄ながらフィールディングなどにも定評があり、ポテンシャルの高さは十分に示した。 徳島インディゴソックスは圧倒的な育成力を誇り、昨秋のドラフトでは6人が指名を受けた。特に投手の育成は独立リーグ随一なだけに、さらなる成長に大きな期待がかかる。
ベースボールチャンネル編集部