フィットネスと津軽三味線の意外な〝共通点〟体が「自然に動く」理由 和なのに洋、吉田兄弟の特異な音楽性
国内最大級のフィットネスライブイベントに、津軽三味線の第一人者である吉田兄弟が出演。異色のコラボの理由について、吉田兄弟は「フィットネスと自分たちの津軽三味線には共通点がある」とします。それぞれを取材すると、音楽で「自然と体が動く」のはなぜかという問いの答えも見えてきました。(朝日新聞withHealth) 【写真】吉田兄弟も”参戦” 1万人規模「暗闇バイクフェス」の様子 幕張メッセで熱狂、踊り漕ぐ参加者
マーティ・フリードマンも生演奏
4月に幕張メッセで開催される1万人規模のフィットネスイベント「LUSTER(ラスター)」。屋内のクラブのような空間で、流れる音楽に合わせてフィットネスバイクを漕ぐ業態のジム、FEELCYCLEが過去5回にわたり開催してきました。 FEELCYCLEでは、インストラクターの指示で行う「コリオ」と呼ばれる振り付けの動作をしながら、フィットネスバイクを漕ぎます。コリオには腕立て伏せや腹筋などの要素も含まれ、有酸素運動と筋トレ両方が可能なエクササイズです。 通常45分のレッスンに対して、過去5回のLUSTERの公演は60分だったり、80~90分だったりと長め。特別なセットリストが組まれ、複数の人気インストラクターが出演します。 前回の「LUSTER 2022」では、全12公演の1万1900円~1万7900円のチケット約4000枚がおよそ10分で完売するほどの人気でした。会場には物販エリアやフォトブースが開設され、フィットネスの枠を超えた展開になっています。 普段のレッスンがライブハウスだとするなら、LUSTERはいわばフェスのようなもの。そんなLUSTERでは、過去に世界的ギタリストのマーティ・フリードマンが生演奏するなど、ブッキングには音楽への強いこだわりがうかがえます。
吉田兄弟で「ノりやすい」理由は
そんな2024年のLUSTERでは、津軽三味線のユニット・吉田兄弟が全6公演に生出演することが決定しています。「津軽三味線」と「フィットネス」というのは異色のコラボのように思われますが、どうして実現したのでしょうか。 コラボの理由を、吉田兄弟の弟・健一さんは「単純に、1公演1000人弱がフィットネスバイクを漕いでいるのと一緒に津軽三味線を演奏する画が半端なく面白そうだと思ったんですよね」と屈託なく話します。 また、兄・良一郎さんは「僕らの楽曲はよくダンスシーンで使っていただく」「ノりやすいという音楽性の一つの表れ」と分析。「珍しい組み合わせなので、僕もぜひ生で参加したいなと」いう経緯で、収録ではなく生演奏になったそうです。 なぜ、吉田兄弟の音楽は「ノりやすい」のでしょうか。良一郎さんは「リズムの取り方が和ではなく洋に近いのと、自分の内側から盛り上がる感覚があるから」と説明します。 「日本の民謡では『もみ手』と言われ、基本的に1拍3拍の奇数で拍を取ります。でも、僕らの音楽は2拍4拍の偶数で拍を取るから、ズッタンズッタンって体が縦にノる。ハウスやロックとも相性が良く、体を動かしやすいんです」(良一郎さん) 健一さんは「どうなるかまだわからないところはありますが、普段できない人生体験ができるんだろうと僕は想像していますし、お客さんにもそうだと言いたいです」と話しました。