上司からも部下からも“圧”を受けやすいのが30代。同調圧力へ抵抗するには?
昭和から残る「昔からの価値観」と近年広まった「新しい価値観」が混在する今、両者の板挟みになり、さらには、現実的に世の中で重視される「市場的な価値」のプレッシャーも強く受ける30代。社会学者・貴戸理恵さんに、現代における「同調圧力」の実態やポジティブなアクション、その際に注意すべき点についてお聞きしました。 【画像】同調圧力へ抵抗するには? ■上司世代からも下の世代からも同調圧力を受けやすいのが30代 貴戸先生:例えば、上司は「会社の忘年会は全員参加で結束を強めたい」と思っていて、部下は「プライベートを大事にしたい」と思っている。そのあいだに立って、ハラハラしているのが30代の社員たち、というところはあるかもしれませんね。 大変な立場ですが、同時に、ある種の架け橋にもなれるんじゃないですか。「個人の自由を大切にする」という若い世代と、「所属集団の仲間意識が大事」という年長世代の架け橋です。 あいだに立つのは苦しいけれど、価値観の翻訳者になれるかもしれない。
■上司世代からの「同調圧力」に抵抗するには?理不尽な「伝統的な価値観」は倒せる! 貴戸先生:「伝統的な価値観」からの理不尽な同調圧力には対抗しましょう。やり方はシンプル。「リベラルな価値観」をぶつけて「今はもうそんな時代じゃないですよ」と伝えることです。 例えば産休や育休、子どもの体調による急な休み。若い後輩は当然の権利として「休みます」と言う。でも上司はそんな若者に嫌味を言う。そんなときは「そういう態度は今の時代には通用しませんよ」ということを、きちんと伝えていくことが大事です。嫌味を言っている場合ではない。上司なら、働き手が減る分、仕事の配分をどうするか、誰かに過剰なしわ寄せがいっていないかを考え、対応するのが仕事です。 上司にピシャリと発言をする勇気がない方もいらっしゃると思います。そんなとき、第一の手は数です。同じ問題を抱えていそうな他の当事者たちと連帯すると発言しやすくなるはずです。