シーホース三河 名古屋Dに連敗しクォーターファイナルで散る 西田優大「来季は自分たちのバスケを積み上げていきたい」
「古豪復活」を予感させたリッチマン新体制
リッチマン体制1年目はこれで終わりとなったが、来季も続投が決まっている。今シーズンについて、リッチマンHCは「自分たちの目指す土台を作ることができた」と振り返り、「成長の余地も感じることができました。この土台から上積みできる」と話した。 NBAと異なるFIBAルールに慣れること、異国でチャレンジすること、チームビルディングに取り組むこと…。決して簡単なことではなかったはずだが、そんなシーズンを「アメイジングタイム」と表現し、「楽しかったし、チームも自分自身も成長できた」と話すリッチマンHC。 来季も三河でプレーすることが決まっている西田も「最初のバイウィークに入るまでは勝ったり負けたりの状況が続く中、少しずつ勝ち星が先行するようになって、ライアンのもとでやっていることは間違いじゃないと感じた」と新体制で挑んだシーズンを振り返り、「来季は自分たちのバスケを積み上げていきたい」と誓った。 今シーズンのチームについて、西田は「オフコートからみんな仲がよく、ザックとかが、ご飯行こうぜ、と誘ってくるような感じで。そこには亮伍さんやアヴィとかうまくつないでくれる仲間もいて」と話す。「オンコートだけでなくオフコートも濃いチームでした」という言葉からは、このメンバーで1試合でも多く続けたかったという気持ちが伝わってきた。 側から見ても、チームの雰囲気の良さは十分に感じられるシーズンだった。28年にわたってチームを率いてきた鈴木貴美一HCが退任となり、33歳の若い外国人HCを招聘した三河。前任者が築いた過去の栄光を知るファンは、大きな期待よりも、大きな不安を抱いたかもしれない。蓋を開けてみれば、オフェンスやディフェンスのシステムはもちろん、練習時間をはじめとした日々のルーティン、さらにクラブとしての情報発信等のスタンスまで、ありとあらゆるものが変わった。勝利や敗戦から「カイゼン」を積み重ね、リーグにサプライズを与えるチームに成長した。 実りある1年を終えた今、「来季は優勝を目指す」と宣言しても、笑うライバルはどこにもいないだろう。三河のチャレンジはここまでとなってしまったが、長い目で見れば旅の途中に過ぎない。この先、どんな素晴らしいチームが生まれ、どんなサプライズを与えてくれるのか。期待と不安から始まった1年目。リッチマン体制2年目は、今はもう大きな希望しか残っていない。