出土した「金銅装頭椎大刀」（明和町提供）

　三重県多気郡明和町は11月23日午後1時半から、竹川の斎宮歴史博物館講堂で、坂本古墳群（坂本）の県史跡指定20周年記念講演会を開く。申し込み不要で参加無料。

公園として整備された県史跡坂本古墳群＝明和町坂本で

　坂本古墳群は古墳時代の一番終わりに造られた。もともと150基以上の古墳が密集しており、地元では「坂本百八塚」と呼ばれていたが、1935（昭和10）年ごろから周辺の開墾で、大部分が破壊され、現在は6基の古墳が残る。95（平成7）年度から残った古墳のうち3基の発掘調査を行い、1号墳からは金銅装頭椎大刀（こんどうそうかぶつちのたち）が発掘され、大刀が2001（同13）年に県の有形文化財に、古墳群は04年に県の史跡に指定された。また1号墳は前方後方墳という特殊な形で造られているのも特徴。 　18（同30）年には1～6号墳丘と8号墳の一部を含むエリアを史跡公園として整備した。 　今回は、指定20周年を記念し、改めて古墳の価値や刀の魅力を広く知ってもらいたいと企画した。 　当日は3人が登壇。同町斎宮跡・文化観光課の味噌井拓志さんが「ここまでわかった坂本古墳群」と題し、これまでの活動を振り返る。元同課課長で刀の発掘にも携わった中野敦夫さんは坂本1号墳の発掘調査についてのリアルな話などをはじめ、当時の様子などの事例報告をを行う。また、奈良大学文学部の豊島直博教授による「金銅装頭椎大刀の魅力と坂本1号墳の被葬者像」と題した基調講演がある。 　同課は「周辺の調査、研究は進んでいるので、改めてどんな魅力があるか知ってもらえたら。ぜひ参加してください」と来場を呼び掛けている。 　問い合わせは町斎宮跡・文化観光課TEL 0596（52）7126 へ。