劣勢を跳ね返した霞ヶ浦が日大豊山を撃破し準決勝へ
劣勢を跳ね返し、最後の最後に全てをひっくり返した。 5月25日、千葉県のスポレクパークなどで令和6年度関東高校サッカー大会の初日が行われた。第1試合では1都7県の予選を2位で勝ち上がったチームが参戦するグループBの1回戦が開催され、霞ヶ浦(茨城)は日大豊山(東京)と対戦。相手のカウンターに手を焼いたが、最終盤に奪った1点を守り切って準決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】日大豊山 vs 霞ヶ浦 霞ヶ浦は序盤から試合の主導権を握られ、堅守速攻を武器とする日大豊山に苦戦を強いられる。中盤の攻防で競り負け、ルーズボールを回収できない。そこから素早くボールを運ばれ、サイドアタックから何度も決定機を作られた。12分には自陣でボールを奪われ、FW大山泰生(3年)に右足でシュートを放たれる。続く14分には右サイドを崩され、MF作道海斗(3年)のクロスから再び大山にゴールを脅かされた。16分にはFKから連続でピンチを迎えるなど、自陣で守る展開に。攻め手もなく、前線までボールを運べない。 「相手は個人でボールを持つスキルも高いし、チームで連動して崩すところも上手かった。正直、もっと自分たちが中盤でプレッシャーをかける展開に持ち込めると思ったんですけど…。きつかったですね」 桑原鉄平監督が振り返った通り、前半はまるで良いところを発揮できず、スコアレスで折り返せたことが不思議なぐらいの状態だった。 迎えたハーフタイム。見かねた指揮官が檄を飛ばす。 「受けてしまった。こぼれ球への反応がいつもと比べればなかった。関東大会だからといって格好良いサッカーをやるわけじゃない。自分たちが勝ち上がってくるまでに何をやってきたのか。そこにもう1回に眼を向けさせた」 後半に入っても相手の縦に速い攻撃に手を焼いたが、強度の高い守備で徐々に中盤でボールを拾えるようになっていく。すると、前線にボールが入るようになり、攻撃にもリズムが生まれた。だが、決定機を作るまでには至らず、拮抗した展開が続くなか、ようやくチャンスを創り出す。 試合終了間際の80分。最前線でFW吉沢友慶(3年)が身体を張ってボールを落とすと、ここに走り込んできたのは途中出場のFW高萩一翔(3年)だった。左足を迷わずに振り抜き、試合の行方を決定付ける先制点をねじ込んだ。 土壇場でネットを揺らした霞ヶ浦がこのまま逃げ切り、26日の準決勝行きのチケットを獲得。 (文・写真=松尾祐希)