【特集】世界一の景色も経験、期待の実力派 パリ五輪でのメダル獲得懸け奮闘 男子レスリング・樋口黎(読売テレビ「あすリートPlus」)
■「広背筋と体幹が大切」勝利のカギは【引きつける力】
減量とともに重要なのが、筋肉量の維持。タックルのイメージが強いレスリングですが、実は【引きつける力】がカギを握っているといいます。 (鳥谷)「レスリングに必要な筋肉や重要な場所ってありますか?」 (樋口)「基本的に広背筋が必要だと思います。姿勢を低く保ち、タックルが入ったあとに、相手を引きつける力というのが、とても大切なんです。加えて、組手でぶらされないように全身の力も使わないといけないので、強いて挙げるなら、広背筋と体幹かなと思います」 普段は、10kgほどの重さがあるという特殊な道具を使って、日々、広背筋の強化に励んでいる樋口選手。片手で1本抱えるだけでもやっとの重さですが、樋口選手は両手に1本ずつ抱え、軽々と上げ下げをおこないます。その姿はまさに実力派オリンピアンそのもの、ますますこれからの活躍への期待が高まります。
■「4・5年前まで遡って把握」分析重ね勝利に懸ける
樋口選手から鳥谷さんへ、レスリングのコツをレクチャー。レスリング初体験の鳥谷さんもイメージしやすいよう、わかりやすくポイントを教えてくれました。 (樋口)「右足からマットを蹴って、左足を相手の両足の間に入れます。両手で相手の膝の裏をかって、そのまま押すと倒しやすいですよ」 (鳥谷)「ぜんぜんイメージができない(笑)」 (樋口)「あまり深く考えず、ノリと自分自身のイメージも大事です」 アドバイス通りにいざ実戦、するとあっさり相手を倒せた鳥谷さん。プロフェッショナル同士のコラボレーションで、周りをアッと驚かせました。 プレイヤーとしてはもちろん、指導の才能も覗かせた樋口選手。向かうところ敵なしのように見える樋口選手ですが、【自身はビビりだ】と、意外な一面についても話してくれました。 (鳥谷)「野球の場合、バッターボックスに立ったら、自分自身の形がしっかりイメージできれば打てるタイプと、相手によって変化させて打つタイプがいるんですが、樋口選手はどちらのタイプですか?」 (樋口)「僕はどちらもあるタイプですね。実は、ものすごくビビりなほうなんです。なので、対戦相手のこれまでの試合についての研究をものすごくします。(相手の)4・5年前まで遡って、相手の癖などを全部把握し、自分の形をイメージした上で、(本番で)どのように取りに行くかを考えます」 肉体の鍛錬はもちろん、頭脳で点を獲得することへの努力も惜しまない樋口選手。鳥谷さんも【最強!】と称す若きスターの活躍ぶりに、今後も目が離せません。 (読売テレビ「あすリートPlus」2月4日放送)