【東京ゲームショウ】パイオニア、ゲーミングスピーカー“SOUND TECTORシリーズ”の音質を体感できる
9月26日から、日本最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2024」がスタートした。会場と幕張メッセでは、9月29日までの期間、数多くのゲームタイトルやゲーミングデバイスが展示される。 ホール9のパイオニア/CRIミドルウェアブースでは、9月19日にリリースされたパイオニアブランドのゲーミングスピーカー“SOUND TECTORシリーズ”を参考出展しており、実際にサウンドを体験できるデモシステムも用意されていた。 デスクトップシステムには、コンパクトフロントスピーカー「TQ-FG3000」をPCモニターの画面下に設置し、ディスプレイの隣にスリムパワードサブウーファー「TQ-WG3000」、加えてリアサウンドエンハンサー「TW-RG3000」を首に掛けたサウンドシステムで試聴できるようになっている。 TQ-FG3000には、50mmドライバーユニットを搭載し、スピーカー単体でステレオ再生から5.1ch/7.1chサラウンド再生まで楽しむことができる。Dirac Research ABのデジタル音場補正技術を導入したことで、広いサウンドステージと実現しているという。 また小型スピーカーながら、大型マグネットを採用し、磁気回路の高効率化を施すことで力強いサウンドを叶えており、加えて「BEARBLASTER」を導入したことで、独自の特殊デジタル信号処理技術による低音増強も成し得ている。 ボディの中心には、USB/HDMI/Bluetoothの切り替え、サウンドモード「GAME」と「ENTA」の切り替え、左右のライトの明るさ調整が可能な「DIMMER」の操作ボタンを備え、そして真ん中のボリュームノブで音量調整ができるようになっている。 サウンドモードの「GAME」はユーザーの頭の位置や耳の位置がPCディスプレイやPCモニターに近い状況でゲームプレイすることを考慮したサウンドステージの作り込みが施されており、「ENTA」はPCモニターから少し離れた位置で映像コンテンツを視聴するスタイルを想定したサウンドになっているとのこと。 TQ-FG3000の背面部には、USB Type-C入力×1基、HDMI×1基、サブウーファー出力×1基、Mini-DIN8曲出力×1基(リアサウンドエンハンサー接続用)の入出力端子を備えおり、HDMIはeARC/ARCをフォローする。 TQ-WG3000は、薄型の筐体に両面駆動方式を採用した独自開発技術「HVTユニット」を搭載することで、しっかりと低域を再生できるだけでなく、ボディ自体の振動を低減するため、デスクの上に置いてもサブウーファーの揺れを感じさせない設置を実現しているという。 そしてサラウンド/サラウンドバックなど後方の音を忠実に再生できるアイテムとして、リアサウンドエンハンサーのTW-RG3000を組み合わせるが、有線接続ができるため音のズレがなく、直感的なサウンドでサラウンド/サラウンドバックなどから再生される音声を臨場感豊かに再生する。 TW-RG3000は、本体に3cmコーン型ドライバーユニットを搭載。チャットマイクをはじめ、ボリュームダイヤル、電源オン/オフのスイッチを備えている。体験デモでは、『エースコンバット』のゲームプレイ動画を視聴でき、音質を体感できるだけでなく、TQ-FG3000単体と全てを組み合わせたときの音質比較も可能となっている。 Nintendo Switch、Pimax PortalなどとUSB Type-C接続することで簡単に高音質化を図ることができる、ポータブル・ゲーミングスピーカー「TQ-PG300」も展示されている。13mm×34mm角型のスピーカーユニットを搭載しており、Dirac Research ABのクロストークキャンセリング機能を備えた音響信号処理技術を導入する。 ゲームハードウェアをスピーカーに挟み込むことで簡単に使用できる。またゲーム機から直接給電しながらの使用、充電専用ポートから充電しながらのゲームプレイも可能となっている。スピーカー側面には、ゲインをHi/Lowで選択でき、サウンドの音場を広げる機能「WIDE」のオン/オフも備えている。 デモでは、Pimax Portalと組み合わせたシステムで試聴でき、『ソニック×シャドウ』の映像コンテンツを楽しめる。ゲーム機を持った状態でスピーカー再生できるだけでなく、スピーカー背面に装備された自立用スタンドで立てての再生も可能だ。 SOUND TECTORシリーズで特徴的なのが、CRI・ミドルウェアが開発した1chipソリューション「CRI-SOLIDAS」を搭載している点だ。汎用マイコン/FPGAにソフトウェア音声信号処理を搭載しているデバイスであることがトピック。 従来まではセレクターICをはじめ、DSP(エコーキャンセラー/ノイズキャンセラー/音響補正/DELAY EC)やDAC、マスターボリューム、HPF/LPF、D級アンプなど、各々に専用のICやDSPを多数使用していたが、全てを1chipでまかない、1chip内のソフトウェアでデジタル音声信号処理(CRI DSP)と音声出力処理(CRI D-Amp Driver)をコントロールできるため、非常にシンプルな構成を実現した。 CRI DSPでは、エコーキャンセラー/ノイズキャンセラー/イコライザー/コンプレッサー/ゲインコントローラー/各種音響補正処理/サードパーティ製・音声信号処理機能を、ソフトウェアでコントロールできる。「SOLIDASソフトウェア」によるローコードで開発でき、メーカーの要望を聞きながらソフトウェアでカスタマイズしていけるという。 CRI D-Amp Driverを用いたことのメリットも多く、ひとつはソフトウェア処理によるフルデジタル出力が可能なことだ。音声ICを使用した一般的な回路構成だと、DACやLPF、AMPなどさまざまなチップが混合するだけでなく、アナログ/デジタル変換処理が行われることで、ノイズが発生する要素が増えてしまう。1chipの場合は、差動駆動の採用でノイズ耐性を高め、アンプ性能も90%以上の高効率を実現している。 フルデジタル接続が可能なため、民生用ヘッドホンアンプなどと比べてノイズの発生を抑えることができ、綺麗な状態で波形を保つことができるため、原音に忠実な再生を成し得るとしている。 また、ゲーム市場ではデファクトスタンダートとして使用されている統合性サウンドミドルウェア「CRI ADX」も1chip内で対応が可能。複数音再生や優先制御といった複雑な音声制御、複数音声データのミキシング、エンベローブ付きサウンドジェネレーターといった、さまざまな音声制御機能をトータルで活用できる。
編集部:長濱行太朗