【ライブレポート】KEYTALK活動休止前ラストライブ、9mm Parabellum Bulletが贈った言葉
8月22日に東京・新宿LOFTでKEYTALKと9mm Parabellum Bulletのツーマンライブ「DREAM MATCH 2024」が行われた。なお本公演は新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を記念して開催され、KEYTALKの活動休止前ラストライブとなった。 【写真】ステージ最前でギターをかき鳴らす9mm滝 ■ 9mm Parabellum Bullet 轟音のSEが鳴り響くと、拳を上げて歓声を上げる観客。真っ赤に照らされたステージに9mm Parabellum Bulletが登場する。重心低く鳴り響くタムの音色が「Discommunication」のスタートを告げた。激しく歪んだギターの音色と観客の手拍子が入り混じり、場内のボルテージが急速に高まっていく。「The Revolutionary」が畳みかけられると、かみじょうちひろ(Dr)の性急なビートがこれでもかと観客を煽る。滝善充(G)が奏でる攻撃的なギターフレーズに呼応し、フロアには無数の拳が掲げられ、菅原卓郎(Vo, G)がそこに高らかな歌声を降らせた。 ツインギターによるリフが炸裂した「Supernova」を経て、菅原は「地球の“夏力”が年々上がってますよね。夏の真っ只中に9mmとKEYTALKのツーマンをやるなんて、LOFTはどうかしてるんですか! ずっとどうかしてるから、LOFTはこんなに長く、この場所にあるんだと思います。お祝いできてうれしいです!」と新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を祝福。「みんなをもっと夏にしてもいいでしょうか。みんな歌ってくれますか? 夏こそがすべてだから!」という彼の言葉で始まったのは「All We Need Is Summer Day」。満員の新宿LOFTにシンガロングを巻き起こしたのち、「The World」では4人が哀愁と激情が入り混じるようなバンドアンサンブルを届けた。 「今日、どんな気持ちでみんなが来てるのか。俺にはなんとなくわかるような気がする」と切り出した菅原は、「9mmも20年の中でいろいろあったけど、またLOFTでこうやって、超元気に、エネルギッシュにライブをしてるぜってことが、俺たちからKEYTALKへのメッセージだから。なんかきっといい形になるよ」とKEYTALKを鼓舞。彼のやさしい言葉に、フロアから温かい拍手が送られる。菅原は続けて「まあ、なんの責任も取らないけどね!」と笑い、観客を和ませた。 その後、「Brand New Day」では菅原の太く伸びやかな歌声に滝のコーラスが重なり、美しいハーモニーが生み出される。ファンが飛び跳ねて歓迎した「One More Time」に続き、「Black Market Blues」がスタート。青と赤の照明に妖しく照らされたステージで、4人はバンド結成20周年の余裕を漂わせながら往年の名曲を届けていく。ファンは息の合った手拍子で楽曲を彩り、曲が終わる頃には凄まじい熱気がフロアを満たした。4人は最後までフルスロットルで駆け抜けるように「Punishment」を投下。活動休止前最後のライブを控えたKEYTALKにバトンを渡した。 ■ KEYTALK 3人でステージに登場したKEYTALKは、ベースレスの編成で「MATSURI BAYASHI」を披露。ファンは歓声と手拍子でKEYTALKにエールを送る。「アゲイン」では四つ打ちのバスドラムに乗って寺中友将(Vo, G)が切ないメロディラインを歌い上げた。「ハコワレサマー」からは同期音源が加わり、音圧が急上昇。それに呼応するように場内の熱気も高まっていく。寺中は「9mm先輩にステージを熱くしてもらいました! とても幸せな一日です! 19歳のときにバンドに加入して、最初はバンドのサウンドってものをあまり知らなくて。それで勉強しようと思っていろいろ漁ったとき、スッと耳に入ってきたのが9mmでした。僕らにとって特別な一日を、ワンマンではなくツーマンで迎えられたこと。すごく意味があるんじゃないかなと思ってます」と語り、「DROP2」で熱い歌声を届けた。 快活なビートがファンの体を揺らした「ブザービーター」を経て、「color」へなだれ込む3人。カラフルな照明が点滅し、「テキーラキラー」「ナンバーブレイン」が畳みかけられるとフロアはお祭り騒ぎに。寺中の声にオートチューンがかかった「One side grilled meat」では、小野武正(G, Cho)が頭を振って盛り上がる観客に向けて「お前ら長い間お世話になったな! また絶対帰ってくるぞー!」と強い決意を口にした。 寺中が「ここまで走り抜けてきたという自負があるから、少し休ませてもらって、またこの熱さを体感しに、ライブハウスに戻って来たいと思います」と語ると、フロアから「待ってるぞー!」という野太い声。その威勢のよさが会場の笑いを誘い、和気あいあいとした空気が流れる。寺中が八木優樹(Dr, Cho)にマイクを通さず話すように促すと、八木は「かかってこいよー!」という脈略のないシャウトを炸裂させた。 「エンドロール」「summer tail」で会場が夏らしいセンチメンタルなムードに包まれたのち、「Oh!En!Ka!」がスタート。寺中の「みんなの背中を、みんなの生活を、少しでも支えられたらいいなと思って作った曲だけど、今日はみんなの歌で僕らを支えてください!」という声に応えるかのように、フロアに盛大なシンガロングが巻き起こる。会場をひとつにしたKEYTALKは、大歓声に包まれながらステージをあとにした。 アンコールの拍手に迎えられて再び姿を現す3人。小野とファンが「ぺーい!」と叫ぶ恒例のコール&レスポンスに続いて、ラストナンバー「夕映えの街、今」が始まる。KEYTALKらしいアッパーチューンが活動休止前最後のライブを締め括り、上裸姿の3人はファンとの再会を誓いステージを去っていった。 ■ セットリスト □ 「DREAM MATCH 2024」2024年8月22日 新宿LOFT 9mm Parabellum Bullet 01. Discommunication 02. The Revolutionary 03. Supernova 04. 名もなきヒーロー 05. All We Need Is Summer Day 06. The World 07. カタルシス 08. Brand New Day 09. One More Time 10. Black Market Blues 11. Punishment KEYTALK 01. MATSURI BAYASHI 02. アゲイン 03 ハコワレサマー 04. DROP2 05. ブザービーター 06. color 07. テキーラキラー 08. ナンバーブレイン 09. One side grilled meat 10. エンドロール 11. summer tail 12. 黄昏シンフォニー 13. Oh!En!Ka! <アンコール> 14. 夕映えの街、今