“有吉の壁”橋本和明が、オリジナルコンビの賞レースを作った理由「芸人さんの『あの人と1回ネタやってみたい』ってエモいと思うんです」<THEゴールデンコンビ>
実力派芸人たちが一日限りのオリジナルコンビを結成し、優勝賞金1,000万円をかけて即興コントに挑むAmazon Original「最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ」がPrime Videoで10月31日(木)夜6:00より配信される。MCは千鳥。今大会のためだけに結成された、高比良くるま(令和ロマン)&野田クリスタル(マヂカルラブリー)、津田篤宏(ダイアン)&永野ほか個性あふれるオリジナルコンビ8組が登場する。企画・演出は「有吉の壁」(日本テレビ系)などを手掛ける橋本和明氏。今回、橋本氏に「THEゴールデンコンビ」企画誕生の経緯や狙いなどを聞いた。 【動画】全コンビ結成の瞬間とインタビュー 互いに褒めあって赤面も… 先日発表された「THEゴールデンコンビ」出場芸人コンビは、高比良くるま(令和ロマン)&野田クリスタル(マヂカルラブリー)、せいや(霜降り明星)&秋山寛貴(ハナコ)、堀内健(ネプチューン)&屋敷裕政(ニューヨーク)、長田庄平(チョコレートプラネット)&じろう(シソンヌ)、澤部佑(ハライチ)&真栄田賢(スリムクラブ)、平井まさあき(男性ブランコ)&堂前透(ロングコートダディ)、サーヤ(ラランド)& KAZMA(しずる)、津田篤宏(ダイアン)&永野の全8組。 優勝賞金1,000 万円と「最強新コンビ=ゴールデンコンビ」の座をかけ、8組が難易度の高いお題に即興コントで挑む。ステージごとに観客200人が“一番面白くないコンビ”に投票して脱落していく超過酷ルールの下、瞬発力、アドリブ力、破壊力といった“笑いの総合力”とコンビとしての“チームワーク”が試されるお笑いサバイバル・バトルとなっている。 ■コンビというシステムを新しく使えるフレーム ――まず「THEゴールデンコンビ」企画誕生の経緯から教えてください 1年半くらい前に、僕が日本テレビを辞めてフリーになったタイミングでAmazonさんにお声がけいただいて。今までにない賞レースで、1組ずつ脱落していくコンセプトだったり、即興で競う、コンビで競うといった視点で企画を詰めていきました。 そこから1年半、展開を何度もすごく計算してセットや台本を組んでいったのですが、本番では早速ぶっ壊れるようなことがいっぱい起きて。ダークホースがめちゃくちゃウケていたりとか、予定不調和なことが多発しているので、そういう意味ではすごくワクワクする番組になりましたね。 ――オリジナルコンビにこだわった理由は? 芸人さんの言う「あの人と1回ネタやってみたい」って、ちょっとエモいなと思っていたんですよ。実際に聞いてみるとめちゃくちゃ面白いんですよね。例えばくるまと野田のコンビも、互いに連絡先も知らなくて、プライベートで仲が良いわけではないけど「でもあの人とやったら、すごく面白くなるんじゃないか」という感覚は持っていて。 実際に相方として指名したら、した方は責任を感じるし、された方もなんとかしたいと思って、そこにまた熱量が生まれる。コンビというシステムを新しく使えるフレームだなと思いました。 ――本番までどうなるか予測がつかなかったコンビはいましたか? 津田・永野コンビとか(笑)。サーヤとKAZMAもそうですけど、 どうなるか全くわからないじゃないですか。長田さんとじろうさんは「有吉の壁」でも付き合いが長いですし、 絶対面白いことをやるだろうと思うんですけど、そうではない予想のつかないコンビがいるのは、面白いですよね。 そういう意味でも、誰が勝つか全くわからない8組になりました。どっちがツッコんでどっちがボケるのか想像もつかない。でも何ステージも見ていくうちに、コンビの色がわかってくるというか「この人が考えたネタなんだろうな」「この人がやりたかったボケなんだろうな」といった、裏側も想像しながら楽しめると思います。 ■一日だけ、しかも即興で優勝賞金1000万円 ――1番面白くなかったコンビに投票して脱落させるシステムにしたのは、狙いがあるのでしょうか。 やっぱりハッキリするじゃないですか。1番面白かった人に投票して、その結果最下位が落ちるより、みんながその瞬間に1番面白くないと思ったコンビを投票するほうが企画がハッキリすると思って。残酷ですけど芸人さんにとっても、めちゃくちゃムキになるフレームだと思うんですよね。どこかそういうヒリヒリ感が企画に欲しいと思ったので、出演者に説明した時には嫌な顔されたんですけど(笑)、意志を持って面白くなかった人に1票入れるのは、今回1つこだわりたかったところです。 実際に収録を見ていても、やっぱりみんな面白いから、投票するお客さんもすごく悩むんですよね。でも悩んで出た結果には、やっぱり納得感があって。 敗者のカッコよさもあるし、敗者の美学もあるわけですよ。共に戦ってきた仲間が減っていくことの哀愁だったり、そういうものってみんな好きだと思うんです。ゾンビ映画でもあるように、サバイバルで1組ずつ減っていくんだけど、残された人はもっと頑張ろうと思うし、その熱量というのがお笑いの賞レースとしては新しいと思いますね。 ――最初に企画を聞いた芸人さんからの反応はいかがだったでしょうか みんな「胃が痛くなる仕事ですね」みたいな感じでした(笑)。即興コントで、しかもセットがせり上がってきて何をするか初めてわかるとか、短い相談時間で裏で作り上げなきゃいけないとか、それをお客さんの前でやらないといけないということも含めて、総じてポジティブな評価より、苦情を言われることが多かったです(笑)。 本番当日でも、スゴイセットを目の当たりにして「プレッシャーだ」って、もうひと苦情あったり。でもそんな中で本当に千鳥さんのMCが素晴らしいなと思ったのは、オープニングでハードルを下げるというか「こんなの本来YOASOBIが歌うセットだ」とか、お客さんを巻き込んで、見ている人に目線をつけてくれたんですね。やっぱりお願いしてよかったなと思いましたし、この大きなLEDとすごいセットの前で、こんなコントをやるんだとか、こんなムチャぶりやるんだっていうギャップも面白く出ていると思いました。 あとセットと同様に、千鳥さんもおっしゃっていましたけど、1日だけ、しかも即興で賞金1000万円ですからね。Amazonさんすごいなと。賞レースで半年間ネタを作り込んで1000万円もらえるのに、今日来て、1番爆発したら1000万円というのは、やっぱり面白いですよね。 ――実際に本番が始まってからの雰囲気は? 1ステージ内で何回でも即興コントをしていいので、もう一回笑いを取ったほうがいいのか、やめておいたほうがいいのか、ショートでポンと放り込むか、長めに粘るのかとか、めちゃくちゃ駆け引きが出る。 本番中も舞台裏のスタッフが、僕にインカムで様子を伝えてくるんですけど「今行きそうです。あ、やめるかもしれないです。行こうと思っています」って超バタバタしていて(笑)。お客さんにも本当に即興なんだ、って熱量が伝わったと思います。 制作側としても、お題のバリエーションをすごく増やして、どんどん演者の裏をかいていきたいと考えていましたね。やはり攻略法が見えると、熱量が出なくなってしまうんです。なので勝ちパターンが見えないようなコースをできるだけ組んで、出ている人たちをもドキドキさせるというのは、制作ですごく考えたことですね。 ――では、見どころを改めてお願いします 今は、芸人さんの熱量や、本当に負けたくない思い、お客さんの前でウケたいという気持ちなど、リアルなものが届く時代になってきたので、そのリアルな熱量をそのまま伝えられる新しいショーになったと思います。 誰が勝つのか、ドキドキしながら最後まで見られる作品だと思いますし、予想も多分覆される展開がいっぱいあると思います。まず8組のコンビを見ていただいて、推しも決めていただいて、どこが勝つだろうと思いながら見進めていってもらえたらいいなと思いますね。 ※高比良の「高」は「はしごだか」 ※KAZMAの「Z」はストローク付き表記