社会現象を巻き起こした『ジョーカー』の緊急公開が決定!完結編『ジョーカー2』に備えよ
孤独で心やさしい男が、歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”へと変貌を遂げていくドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ&キャストで描いた傑作サスペンス・エンターテインメント『ジョーカー』(19)。その続編にして完結編となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が、10月11日(金)より公開される。このたび、世界中で未曾有の社会現象を巻き起こした前作『ジョーカー』が、9月13日(金)よりIMAX及びDolby Cinemaで期間限定緊急公開されることが決定した。 【写真を見る】米アカデミー賞で作品賞を含む最多11部門にノミネートされ、ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞した『ジョーカー』 『ジョーカー』はその完璧で衝撃的なストーリーと圧倒的な満足度によって、世界66か国で初登場No.1に輝いた。日本での観客動員も4週連続No.1で、世界興行収入1,500億円(10億ドル/1ドル150円換算)を超える空前の大ヒットを遂げ、2019年公開当時、R指定映画史上歴代最高記録を樹立した(Box Office Mojo調べ)。第76回ベネチア国際映画祭金獅子賞、第92回米アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞を含む最多11部門にノミネートされ、ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが主演男優賞の栄冠を手にした。 世代を問わず、“これはいまを生きる私たちの物語”と共感させてしまう内容に賛否両論を巻き起こし、辛口映画批評家サイト「Rotten Tomatoes」のオーディエンス・スコアが「91%フレッシュ」と高評価を当時記録したほか、唯一無二の鑑賞後感からリピーターが世界中で続出。さらに、映画の枠を超えて、各国で政治的な抗議の象徴として『ジョーカー』に触発されたメイクアップの群衆が話題になり、トランプ元大統領がホワイトハウスで上映会を実施したというCNNのニュースまでもが飛び交った。 なぜ多くの観客は、ジョーカーにのみ込まれていったのか?その魅力の一つは、謎に満ちたストーリー展開にある。ジョーカーを主人公にしたことで、どこまでが真実で妄想なのかが明確にされておらず、本編中の時計の針は常に「11時11分」を指していたことも有名な話。過去にトッド・フィリップス監督はインタビューで、「一つだけ確かなことがある。最後にジョークを思いついたシーン。あのシーンだけは、唯一純粋に笑っている場面だ」とも明かしていた。あらゆる解釈が溢れていることに、主演のフェニックスは「謎があることが素晴らしい」と発言している。 そして5年間の沈黙を破り、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』がいよいよ公開に。フィリップス監督は「ホアキンと私は続編について話したことはあったが、真剣に考えたことはなかった。なぜなら、『ジョーカー』を制作した当時、これほどまで世界中の観客の心を打つとは想像もしていなかったからだ。しかし、観客の反応を見てそれは変わった。ジョーカーとは何者なのか?彼を突き動かすものはなんなのか?続編では、彼のアイデンティティをさらに掘り下げた、ぶっ飛んだクレイジーな映画にしたいと考えて物語を創り上げた」とコメントを寄せている。 前作の2年後が舞台となる『ジョーカー2』では、社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカーの暴走がさらに加速していく。ジョーカーはレディー・ガガ演じるリーと呼ばれる謎の女と出会い、彼の狂気がリーへ、そして群衆へと拡散する。三大映画祭「第81回ベネチア国際映画祭」コンペティション部門への出品が決定し、金獅子賞の連続受賞にも期待が高まるなか、まずは『ジョーカー』の衝撃をおさらいし、最新作に備えてはいかがだろうか? 文/平尾嘉浩