スペイン代表、背番号10の系譜(4)悪夢の屈辱…まさか…その中で10番は?
スペイン代表の背番号10は呪われているのだろうか。他国では英雄的な番号であっても、この国で「10」のユニフォームをまとった選手たちはワールドカップの大舞台でさしたる存在感を残せていない。初優勝を果たした2010年南アフリカワールドカップでさえも。そんな悲しい運命を背負った男たちの系譜を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの。
ブラジルワールドカップ
背番号10:セスク・ファブレガス(バルセロナ) 生年月日:1987年5月4日(当時27歳) 個人成績:2試合出場/0得点1アシスト 監督:ビセンテ・デル・ボスケ 戦績:グループリーグ敗退 EURO2008、2010年南アフリカワールドカップ、EURO2012と主要国際大会3連覇を成し遂げていたスペイン代表だが、その間に主力の入れ替わりは少なく、2014年には明らかにチームが過渡期を迎えようとしていた。 グループリーグ初戦で前回大会決勝で激戦を演じたオランダ代表に1-5という大敗を喫し、第2戦ではGKイケル・カシージャスのミスなども重なってチリ代表に敗戦。最終戦でオーストラリア代表に勝利を収めたものの焼け石に水で、グループリーグ敗退という屈辱の結果に終わった。 前回王者が決勝トーナメント進出を逃すのはイタリア代表に続き2大会連続だったが、開幕2連敗での敗退はスペイン代表が史上初だった。 その中でセスクは背番号10だったものの、脇役に過ぎず、チームに前向きなエネルギーをもたらすことができなかった。グループリーグ3試合で先発は一度もなく、出場時間は2試合でわずかに33分間しか与えられなかった。 スペイン代表のパフォーマンスが上がらなかったのは、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーがチャンピオンズリーグ決勝に勝ち進むなど主力の大半が大会直前の5月末までクラブでの公式戦をこなしていたからだとも言われる。 とはいえ主力の高齢化や、それに伴う衰えは否定できず、次の4年間に向けた世代交代が始まるきっかけとなるワールドカップに。セスクは当時27歳と十分に若く、2年後のEURO2016まではチームの主力を担った。
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