「六代目山口組の分裂を背景に起きた」逃亡から3年余り…あの男が仙台に 特殊閃光弾を使い部屋に突入 “重要指名手配犯”指定暴力団「絆會」幹部の金成行容疑者を逮捕
長野県宮田村の駐車場で男性が拳銃で襲われた事件から3年余り。全国に指名手配されていた暴力団幹部の男が逮捕されました。潜伏していたのは仙台市内の集合住宅でした。
2月1日午後、長野県内の警察署に入った車。中には、3年半もの間、逃亡を続けていた男が乗っていたとみられます。 殺人未遂の疑いで逮捕された金澤成樹こと金成行容疑者(55)。指定暴力団「絆會」の幹部で、全国に重要指名手配されていました。
金容疑者の犯行とされるのは、2020年9月に宮田村で起きた銃撃事件です。飲食店の駐車場で車の中にいた男性(当時48)が、脇腹を拳銃で撃たれ、大けがをしました。その後、容疑者は逃亡。 岐阜県を経て三重県内に逃亡させたとして、暴力団組員4人が逮捕されました。
それから3年余りー。 容疑者が潜んでいたのは仙台市の住宅街でした。長野・愛知県警の合同捜査本部によりますと、フリーダイヤルに「似た人物がいる」と匿名の情報があったということです。 向かいに住む住民: 「(容疑者がいた)部屋はどこかの会社と法人契約しているらしくて誰が住んでいるか大家さんもわからなかったって、(きのうから捜査員が)『とにかく出て来てください』と話をしていたが出て来ない状況続いていた」
容疑者が部屋にこもる中、深夜、警察が動きます。 向かいに住む住民: 「『退避してください』ってことで夜11時近くだったと思う。(捜査員の)盾に囲われて車まで移動してホテルに行きました」
午前4時半ごろ、警察は特殊閃光弾を使って部屋に突入し、容疑者を逮捕しました。 近所の住民: 「寝ている間に何発か爆発音が聞こえて目を覚まして、これは何かあったということで…」
金容疑者は1人で部屋にいて抵抗する様子もなく、本人だと認めたということです。
警察庁の露木長官は、「事件は六代目山口組の分裂を背景に起きた」と述べました。 警察庁・露木康浩長官: 「極めて殺傷能力の高い拳銃を用いた暴力団特有の極めて凶悪な犯罪。組織的背景を含む事件の全容解明、対立抗争の解消に向け努力していく」
警察は、事件の経緯や、3年余りに及んだ逃走中の生活など、全容解明を進めます。