『ゴールデンカムイ』『はたらく細胞』『山田くんとLv999の恋をする』……実写化を機にアニメ主題歌を振り返る
『はたらく細胞』ClariSら、『山田くん』KANA-BOON&北澤ゆうほ、清 竜人が担当
■『はたらく細胞』 2018年にTVアニメ第1期、2021年に第2期とスピンオフ作品が放送され大きな反響を得た本作。現在では教育機関の教材としての活用や、医療機関や厚生労働省とのコラボなど、作品の枠を飛び越えて様々なシーンで作品を目にすることが増えてきている。12月13日から公開される実写映画版では、Official髭男dismが主題歌を務めることでも話題をさらった。 アニメ版の主題歌の代表曲は、やはり第1期OPテーマの「ミッション!健・康・体操!」で間違いないだろう。細胞たちが忙しなく働く様子をポップなサウンドで表現した口ずさみやすいキャラクターソングとなっており、各声優陣(花澤香菜、前野智昭、小野大輔、井上喜久子)のボーカル表現もコミカルで賑やかだ。 そして、体内の個々の細胞のお仕事事情を描いたOPテーマとは反対に、1人の人間の身体全体を労わるような楽曲となっているのが、ClariSの歌う第1期EDテーマ「CheerS」。「自分らしいペースで歩いていけばいい」と励ますようなシンプルなメッセージが込められた1曲で、細胞たちが体内で頑張ったおかげでこういった健康な世界が広がっているのだとEDで再認識できるようになっている。寄り添うようなクララとカレンのキュートな歌声も心に沁みるはずだ。 ■『山田くんとLv999の恋をする』 ネットゲームで知り合った女子大学生・木之下茜と男子高校生プロゲーマー・山田秋斗の恋愛を描いたラブコメ作品。2025年3月28日には、乃木坂46の元メンバーである山下美月と、HiHi Jetsの作間龍斗のW主演で実写映画の公開が予定されている。 TVアニメ版は2023年4月から6月にかけて放送され、KANA-BOONによるOP主題歌「ぐらでーしょん」は、北澤ゆうほをゲストボーカルに迎えたことでも話題となった。茜と山田のどこかむず痒い距離感をそのまま形にしたような歌詞と、明るくポップなロックサウンドの組み合わせは相性抜群。サビの綺麗なユニゾンも相まって何度聴いても飽きない1曲に仕上がっている。そして清 竜人の歌うED主題歌「トリック・アート」は、ラブコメの“ラブ”の要素が純度高く抽出された華やかな雰囲気を纏った楽曲で、ED主題歌としてアニメの余韻を引き立てるような立ち位置の曲となっている。清 竜人のウィスパー気味な優しい歌声も含め、いつまでもこのサウンドに浸っていたくなるような心地よさがたまらない。 上述した作品はもちろんのこと、アニメ化経験のある実写化作品はこれからもどんどん増えていくだろう。実写化の主題歌がどういったものになるのか想像してみる前に、アニメ主題歌がどういったものだったのか、作品理解を深めるために振り返ってみるのも面白いかもしれない。
河瀬タツヤ