前回王者・鹿児島城西を下し日章学園が準決勝へ
来季からU-18高円宮杯プレミアリーグWESTに初参戦する鹿児島城西と、プロ注目のアタッカー・高岡伶颯(2年)を擁する日章学園。注目校同士の対決に蹴りをつけたのは、宮崎の実力校で目覚ましい成長を続けている俊英だった。 【フォトギャラリー】 鹿児島城西 vs 日章学園 2月19日、九州高校サッカー新人大会の準々決勝が鹿児島県内で行われ、日章学園と鹿児島城西が対戦した。 昨季はともにU-18高円宮杯プリンスリーグ九州1部で鎬を削った間柄で、お互いの手の内は把握済み。そうした状況下で迎えた一戦は立ち上がりから一進一退の攻防が続く。互いに3-4-2-1の布陣で縦に速い仕掛けで様子を伺うが、互いに決定的なチャンスを作れない。だが、この流れに終止符を打ったのが、日章学園のアタッカー・南創太(2年)だ。24分にロングフィードにFW水田翔太朗(2年)が合わせる。頭で背後にすらすと、走り込んできた南が受けて利き足とは逆の右足でネットを揺らした。 「左足だけではなく右足でもいけるぞというのを見せてくれた」 指揮官も賛辞を送り、成長ぶりにも目を細めた。 「決定的な仕事ができるようになってきた。最後の質やラストパスが今まではダメだったけど、上に行くにはそこだぞというのをずっと言い続けてきた。数字が大事。この半年でかなり成長したし、ずっと自主練習で高岡と一緒にカットインのシュートにも取り組んでいた」 期待の成長株が結果を残して 均衡を破ると、日章学園は粘り強く戦って主導権を掌握。攻撃では南や水田を起点に手数をかけずに攻め切り、守備ではCB吉川昴我(2年)を軸に素早く寄せて相手に決定機を作らせなかった。とりわけ、今大会の守備陣は脆さが目立っていたが、この日はタフに戦ってシャットアウト。背後に蹴られてバタつく場面もほとんどなく、しっかり跳ね返して無失点で前半を終えた。 後半に入ってもペースは落ちず、鹿児島城西の注目ストライカー・大石脩斗(1年)にも仕事をさせない。試合を優勢に進めると、追加点を目指してエースを投入。高校選抜の活動を終えて昨日の夜に合流した高岡を後半14分にピッチへ送り込む。良い形でボールが入らず、見せ場は限られたものの、献身的なプレスでチームに貢献。終盤は相手に押し込まれたが、守備陣が最後まで集中力を切らさずに守り切り、日章学園がベスト4入りを決めた。 (文・写真=松尾祐希)