大谷翔平、ナイン奮い立たせた強行出場 左肩亜脱臼も志願「士気だけは下げたくなかった」 ドジャース無傷3連勝で世界一王手…V率100%
ワールドシリーズ第3戦(ヤンキース2-4ドジャース、ドジャース3勝、28日、ニューヨーク)米大リーグのワールドシリーズ(WS=7回戦制)第2戦で左肩を亜脱臼した大谷翔平投手(30)は負傷を押して第3戦に「1番・DH」で出場し、3打数無安打2四死球。一回に四球で出塁してフリーマンの先制2ランにつなげるなど存在感を示した。チームはヤンキースを4―2で破って3連勝とし、2020年以来、4年ぶり8度目の制覇にあと1勝。大谷は29日(同30日午前9時8分開始)の第4戦にも出場する予定だ。 頂上が見えかけた今、〝下山〟するわけにはいかない。第2戦のスライディングで左手をついた際に肩を亜脱臼した大谷は、不屈の意志で出場を志願。一回はストレートの四球を選び、フリーマンの3試合連続本塁打となる2ランで生還した。 「(左肩に)テーピングをしているので違う感じはしましたけど、大きな違いはない。左肩だったのは不幸中の幸い。アドレナリンが出て、ある程度の痛みには耐えられる」 三回無死一塁では二ゴロで走者を進め、ベッツのタイムリーをお膳立てした。ただ四回、空振り三振を喫した際のスイングでは痛みに表情がゆがんだ。気温10度前後のニューヨークで患部を悪化させないよう、試合前セレモニーや打席以外では左肩を温める装具を着用。走塁の際はとっさに地面につく動きを避けるため、左手でユニホームの胸元をつかんだまま動いた。 「出られるなら出る準備をするのが当然。痛くないという気持ちでやっている」 第2戦での負傷後、ベンチ裏で治療を受けていると、ナインが次々と心配顔で状態を尋ねてきたという。チームのチャーター機が試合後にニューヨークへ向けて離陸する直前、病院でMRI検査を受けるためロサンゼルスに残った大谷は、選手だけが参加するグループチャットに「大丈夫。試合に出られる」と英文でメッセージを送信。さらに一言、添えたという。 「前回ドジャースが優勝したときも、肩を脱臼した選手がいたのを覚えている?」