「子どもだけで行かないで!」と小学校で禁止令が出た足立区の“ピンクすぎる館”には何がある?館長に「なんで始めたんですか?」「そもそも何でピンクなんですか?」と聞いてみた
小学生の出入りを学校が禁止した理由
――そもそも、ピンクの作品を作り始めたきっかけは何ですか? 画材屋で、ピンクの絵の具と運命的な出会いがあったんですよ。当時、毎週画材屋へ行って、絵の具の研究をしていたんです。そうしたら、あるときこのピンクの絵の具を見つけて、「この色はどうやって使うんだろう?」と思い、試しに買ってみたんです。このピンク色と縁色の2色だけでギャルを描いてみたら、すっかりハマってしまって。 ――こんなにもピンクの絵を描いていて、飽きないものなのでしょうか? 不思議なことに、まったく飽きないです。スランプになることもないですね。考え込んで描くタイプではないので、あんまり深く考えずに、どんどん制作しています。 ずっと「作らなきゃ!」「描かなきゃ!」っていう強迫観念に囚われているんですよね。だから、いくら描いても終わることがない。この感情が何なのか自分でもよくわかんなくて、「いつか解放されるときが来るのかな?」と思っています。 ――辻さんはさまざまなメディアに取り上げられていますが、注目されるようになったきっかけは何ですか? あさくら画廊を始めたばかりのころ、近所の小学生がよく遊びに来て、ここがたまり場みたいになっていたんですよ。で、よく来ていた小学生がテレビ番組「ナニコレ珍百景」に画廊のことを投稿したんです。それで紹介されたのが、はじめてメディアに出たタイミングですね。 テレビで紹介されたあとは、さらに画廊が小学生でいっぱいになりました。多い日で、20人くらいの小学生が遊びに来ていましたね。 ――小学生は最近もよく遊びに来るんですか? いえ、2014年ごろからは来なくなりました。近くの学校で、子どもだけでここへ来ることが禁止されたんです。 ――なぜそのような決まりができたのでしょう? 小学生たちが「マッチを使ったことがない」って言っていたので、僕が教えてあげたんです。そしたら、その子たちが火遊びにハマっちゃって、近くの公園でボヤ騒ぎを起こしてしまったんです。 親に「誰にマッチの使い方を教わったんだ?」って聞かれた子どもが、「ピンクのおじさん」って答えたようで。それからは、子どもは画廊へ来なくなりました。 ――今後の夢はありますか? とにかくデカい絵が描きたいですね。大きな壁や車、飛行機などを、かわいいピンクの絵で仕上げたいです。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班