トルドー・カナダ首相、主要閣僚辞任で続投に暗雲
【AFP=時事】カナダで主要閣僚が突然辞任したのを受け、支持率低迷に直面するジャスティン・トルドー首相にも退陣を求める声が上がるなど、政権は苦境に追い込まれている。 【写真】カナダのトルドー首相、妻との別居発表(2023年) 側近として約10年にわたってトルドー氏を支えてきたクリスティア・フリーランド副首相兼財務相は16日、ドナルド・トランプ次期米大統領の対カナダ関税引き上げ方針をめぐるトルドー氏との意見対立から辞任を表明した。 カナダの輸出の75%以上が米国向けで、200万人近くが貿易業に携わっている。フリーランド氏は、米国による関税引き上げをきっかけに「関税戦争」が招かれる恐れがあると警告。政権の財政支出拡大方針に歯止めを掛け、「財政の余裕を確保」する必要性を訴えていた。 フリーランド氏辞任は、政権内部から初めて公然と反旗を翻した形で、トルドー氏に批判的な勢力は勢い付いている。 トルドー氏率いる与党・自由党内でも、以前にも同氏に退陣を促したことがある少数派グループに属するイバン・ベーカー議員が、公営のカナダ放送協会に対し、「国と党の最大の利益のため」、次の選挙までに新しい指導者に移行する必要があると考えていると述べた。 同じく自由党のフランシス・ドルーアン議員も、「彼(トルドー氏)は去るべきだと思う」「今こそ刷新の時だ」と語った。 カナダでは2025年10月までに総選挙が実施される予定。【翻訳編集】 AFPBB News