100万トークンのコンテキストウィンドウ、グーグル「Gemini1.5 Flash」 その実力とは?
モバイルに特化、チャット機能は持たない最小モデル「Gemini Nano」
なお、Geminiシリーズには「Gemini Nano」と名付けられた、GoogleのAIラインナップの中で最小のモデルも存在する。 「Gemini Nano」は、他のモデルとはまったく方向性が異なる、モバイル向けの製品だ。GoogleのAI搭載スマートフォンであるPixel 8 Proに使用されており、AIメッセージ作成の「Magic Compose」といったデバイス上のAI機能を提供し、AIが音声の内容を要約するサマライズ機能やチャットの返答の内容をAIが提案するスマートリプライ機能を支えている。 チャットボット機能は備えていないため、チャットGPTやGeminiの他のモデルのようにAIと直接対話することはできないが、すべての処理がローカルで行われるため、機密データの保護に強みがある。
OpenAIと熾烈な競争、多様なGoogle発のAIモデル
GoogleはGemini最新モデルを発表したが、一方で、Googleの最大のライバルであるOpenAIも、GPT-4 Turboの2倍の速度で、コストは半分の新しいAIモデル「GPT-4o」と、ChatGPTのデスクトップ版、新しいユーザーインターフェースを発表した。このChatGPT最新モデルは、品質と速度が向上しているだけでなく、50種類の言語を処理できるようになっているとのことだ。 多様なAIモデルを次々と発表し、互いに市場における強力な競争相手としての地位を確立しているGoogleとOpenAI。この競争は、AI技術の進化を加速させ、ユーザーにとってはより高度なサービスの選択肢が広がる結果となっている。今後も両者の競争は激化し、AIの未来を形作る重要な要素となるだろう。
文:大津陽子/ 編集:岡徳之(Livit)