シート打撃に登板した阪神・石井大智（撮影・林俊志）

阪神・石井大智投手（27）が8日、甲子園での全体練習でシート打撃に登板した。クライマックスシリーズ（CS）ファーストステージ（12日開幕、甲子園）で対戦するDeNA打線の〝難敵トリオ〟封じを誓った。 逆転日本一を目指す戦いへの準備は着々と進んでいる。石井は虎打線相手のシート打撃に登板。内容に納得できる23球に充実の汗をぬぐった。 「コースの投げ分けとか、カウントや空振りをを取りたいところで取ったりとか。よかったのかなと思います」 打者5人に対して許した安打性は3本となったが、緩急ともに制球し、3日のレギュラーシーズン最終戦後の初登板としては手応え十分。「シンカーの感覚がよくなってきた」と武器には好感触を残し、直球も「たぶん試合になったら10キロぐらい速くなると思うので」と頼もしかった。 12日から始まるCSファーストステージでは3位DeNAを甲子園に迎える。破壊力抜群の打線の中にあって脅威となるのは右の〝難敵トリオ〟だ。今季の阪神投手陣は牧に打率・333（99打数33安打）、2本塁打、8打点と快音を多く残され、首位打者に輝いたオースティンには同・292（72打数21安打）で7本のアーチを許し、18打点を稼がれた。宮崎には同・361（72打数26安打）、13打点で、9月には代打アーチを2発も見舞われた。虎投を苦しめた勝負強さは脳裏に苦い記憶としてこびりついている。 ただ、そんな厄介な3枚看板にも、石井はひるまない。右の切り札として「そこ（右の強打者）に投げるだろうなと思っている」と、強打者封じを任されることは望むところ。そのうえで「投げるコース、高さは精度よく投げようと思っていますけどね」。優勢ならば流れを渡さず、劣勢なら引き戻すような投球をするために、抑えるイメージは完成しつつある。 この日のシート打撃登板でそろい踏みした岩崎、ゲラ、桐敷も合わせた勝ちパターン4人衆の活躍は、虎の進撃には必要不可欠。安藤投手コーチは「心配していません。実績もありますしね。信頼しています」と自信を持ってマウンドに送り出し、状況によっては早めに投入するプランもある。30ホールドを挙げた石井もその期待に応えるべく、調整の最終段階に突入する。 「これまでにやってきたことを継続し、あとは打者のデータを見ながら『こうやって攻めていこうかな』というプランニングはしっかりと立てながらできたら」