「公選法の神様」に聞く!これって事前運動ですか?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
ここで、分かりやすく伝えるために、MC鈴木が都知事選への立候補を想定した具体例を2つ示し、小島氏に考え方を解説してもらいました。
・具体例1「今度の都知事選に私・鈴木邦和は挑戦しますので、皆さんの1票をお願いします」 ⇒「アウトですね」 ・具体例2「今度の都知事選に、私・鈴木邦和は、挑戦します」 ⇒「グレーだと思います」 ここで話題にあがったのが、立候補の届け出が受理される前に選挙運動をする「事前運動」の問題です。公選法129条に抵触する違反行為ですが、小島氏は「事前運動かどうか、直接的な表現かどうかが大事なポイントになってきます」と指摘しますが、公選法違反と直ちに判断するのかは個別の言い方や場面によって判断が分かれるといいます。
ネット選挙の禁じ手とは?
解禁以来、普及しているネット上での選挙運動には禁止事項もあり、注意が必要です。 小島氏がまず触れたのが「挨拶を目的に有料インターネット広告を出すこと」です。有料広告を出す際は「挨拶を目的としない範囲」にとどめなければならず、基本的には政策宣伝や演説会の告知などであれば、挨拶目的には該当しないとされています ただし、どのような内容であっても「選挙運動期間中」に、候補者が有料インターネット広告を出すことは禁止されており、昨年4月の東京・江東区長選では現職区長がこの違反によって辞職し、先日有罪が確定しました。
選挙運動用ビラやポスターなど公費負担となるものがある一方で、なぜネット広告は厳しく制限されているのでしょうか。
小島氏「有料インターネット広告はがやっぱ金がかかるしね。公選法の規定には根本的に、お金があろうとなかろうと一定の活動はできるようにするという考えがあります。金がかかる選挙を抑制するという趣旨です」
思い込みはダメ!違反をしないためには?
公選法違反に注意すべきなのは有権者も同じです。 MC鈴木「最近だと、よくX(Twitter)上で特定の候補の政策や経歴を話題にする方はいらっしゃいますけど、これが虚偽だった場合、一般の有権者でも公選法違反の可能性があるということでしょうか」 小島氏「そうですね。まず落選目的での虚偽事項公表罪っていうことで公選法の規定があります」 小島氏によると、当選者が虚偽事項を公表していたことが反映して当選無効となったために、選挙をやり直したケースが過去にあったといいます。メディアとしてのインターネットの影響力が強まる中では利用する私たちにも注意が必要だと強調します。
最後に、MC鈴木が「知らないうちに公選法を違反しないためには何が大事ですか?」と尋ねると、小島氏は「選挙のコンプライアンスは学ばない限り身につかない」と即答。
ここで、小島氏は選挙の仕組みを野球の試合に例えて説明します。 ・選手=候補者、運動員 ・審判=取り締まり当局(所轄警察) ・解説者=選挙管理委員会 ・観客=有権者 小島氏「これどうだろうな、大丈夫かなっていう感覚を持って、誰かに相談することが大切だと思います。これぐらい大丈夫だろうという勝手な思い込みはやめた方がいい」 選挙現場で判断に迷った場合は地元の選挙管理委員会への問い合わせも有効です。ともに学び続けましょう!