元祖完全試合男は1943年34勝で最多勝 防御率0・73は現在もプロ野球記録
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第42回は藤本英雄。 【写真】巨人・桑田真澄661日ぶり復帰 マウンドに肘を付け祈りをささげる * * * 初の完全試合達成者として知られる藤本英雄は、投手でありながら3番を打ち、監督も務めた。 1918年5月18日、山口県出身。下関商から明大を経て、42年9月に入団し10連勝をマークした。43年は84試合中46試合に先発し、34勝で最多勝。防御率0・73は現在もプロ野球記録で、19完封勝利もタイ記録だ。44年には、戦争中で人手不足だったとはいえ史上最年少の25歳で第5代監督に就任(46年途中まで)した。 47年、中日に移籍するが、48年に復帰。スライダーを習得し、49年には沢村賞に輝いた。50年6月28日、青森での西日本戦で史上初の完全試合を達成。遠征先にカメラマンが不在だったため、写真は残されていない。同年7本塁打。大谷翔平が2014年に抜くまで、長く投手のシーズン本塁打だった。 55年に200勝に到達し、引退。連続試合完封6、通算防御率1・90、通算勝率・697は、いずれもプロ野球記録としてさん然と輝いている。 引退後は2軍監督、1軍コーチを歴任し、社会人の大和証券監督も務めた。76年に殿堂入り。97年に死去した。
報知新聞社