大阪桐蔭、作新学院、星稜、広陵が軸か センバツ優勝争いを展望
◇第96回選抜高校野球大会・組み合わせ抽選会(8日) 創設100年となる節目のセンバツで、紫紺の優勝旗を手にするのはどのチームか。 【写真まとめ】2023センバツ 躍動したドラフト指名選手たち 優勝争いは混戦が予想されるが、大阪桐蔭、作新学院(栃木)、星稜(石川)、広陵(広島)の昨秋の地区王者が軸になりそうだ。高校野球は今季から低反発の新基準の金属バットが導入される。そのため、好投手を擁し、総合力の高い4校が優位とみる。 大阪桐蔭は大会屈指の「投手王国」を形成する。エース格の右腕・平嶋桂知(かいち)や「新星」と注目される1年生右腕・森陽樹(はるき)をはじめ、150キロ前後の直球を持つ投手を何枚も擁する。 打線も徳丸快晴、ラマル・ギービン・ラタナヤケら実績のある好打者が並ぶ。昨秋に要所で乱れた守備面が改善すれば、センバツ最多タイの5回目の優勝に手が届く。 作新学院は絶対的エースの最速147キロ右腕・小川哲平の完成度が高い。昨秋の関東大会でチーム打率4割3分の打線も切れ目がなく、勝負強い。バントの少ない攻撃が、バットの変更でどんなつながりを見せるのか。 大阪桐蔭と作新学院は勝ち上がれば2回戦で顔を合わせる。ただ、大阪桐蔭は初戦で北海(北海道)、作新学院は神村学園(鹿児島)と、ともに昨夏の甲子園で活躍した選手が多く残る難敵とぶつかる。 投打のバランスに優れるのは、昨秋の明治神宮大会覇者で大会初日に登場する星稜だ。エース左腕・佐宗翼、1年生右腕・道本想は安定感があり、守備も堅い。打線はパンチ力も機動力もある。昨秋の地区大会王者4校が集まるブロックを勝ち抜き「秋春連覇」に挑む。 広陵は強力バッテリーが看板だ。下級生の時から大舞台を踏むエース右腕・高尾響、捕手の只石貫太は世代を代表する選手。1年生右腕・堀田昂佑の成長も頼もしい。2022年秋から4大会(春夏の甲子園と秋の明治神宮大会)連続で広陵に勝利したチームが「全国制覇」しており、雪辱に燃える。 広陵と対戦する高知も昨秋の四国王者で、1回戦屈指の好カードとなった。高知は最速140キロ台後半の直球が持ち味の平悠真、辻井翔大の両右腕を擁する。 新基準のバットでロースコアの試合が増加しそうなため、複数の好投手を擁する出場校にも注目したい。 前回準優勝に貢献した報徳学園(兵庫)の二枚看板はハイレベルだ。万能型の間木歩、本格派の今朝丸裕喜の両右腕はタイプも異なる。前評判の高いチームが集まる激戦のブロックに入っただけに、より両右腕に懸かる期待は大きい。 昨秋の東北大会王者の青森山田は関浩一郎、桜田朔の両右腕がしのぎを削る。ともに長身から繰り出す速球が持ち味だ。 準優勝の八戸学院光星(青森)は昨夏の甲子園8強入りを経験した洗平(あらいだい)比呂ら左腕3本柱に力がある。昨秋の公式戦の1試合平均失策数が0・33と出場校最少だった守備力も光る。 打線では東海大会王者で注目の強打者モイセエフ・ニキータを擁する豊川(愛知)が出場校中2位のチーム打率3割9分5厘をマークした。 チーム打率トップの3割9分7厘を誇る健大高崎(群馬)はプロ注目捕手の箱山遥人が大黒柱。代名詞の「機動破壊」との相乗効果で得点力も高い。 関東一(東京)、愛工大名電(愛知)は上位から下位まで打線に切れ目がなく、連覇を狙う山梨学院は1試合平均盗塁数が出場校中トップで機動力がある。 走攻守すべてで、新バットへの対応力が試される今大会。新たな戦略やトレンドが生まれるかどうかも注目される。【長宗拓弥】