ニュース富山この1年「教育」
富山テレビ放送
今週は富山の1年をテーマ別に振り返っています。18日は「教育」です。 県立高校の再編問題や夜間中学の設置の検討が進むなど、これからの「学校の在り方」、「学びのカタチ」を考える1年になりました。 *新田知事 「今変わっていかないと、今後子どもたちを育む上で色々と問題が起きてくると思う」 今年度、議論が本格化したのが県立高校の再編問題。 *意見交換をした参加者 「意味のある再編。くっつけることでいいことがあったら」 「前例踏襲では乗り越えていけない状況になりつつある」 県教育委員会や県議会の最大会派、自民党議員会それぞれが地域住民の意見をヒアリングする場を設けるなど活発に議論が行われました。 これまで学校の規模のみを重視してビジョンがないと指摘を受けていた高校再編。 その案として県教委は現在の34ある全日制の県立高校を段階的に減らし、14年後までに(2038年度)20校程度にするという方針を示しました。 新たに、大規模校の設置も目指し、今年度内に基本方針を策定する予定です。 時代の変化にあわせ各学校や地域では特色を打ち出そうと、新たな取り組みもスタートしました。 上市高校ではキャリア教育の一環として地元で働く「キャリバイト」がスタート。 *生徒 「バイトを通して社会について知っていけたら」 南砺平高校では来年度から全国から生徒を受け入れる「全国募集」を始めます。 地元では下宿先を調整するなど、受け入れ態勢の整備が進みました。 *平地域づくり協議会 南田実会長 「(県外生徒が)安心できる環境にしてあげなければと思う」 中学校では新しいカタチの授業も。 朝日町の中学校では「生成AI」を活用した英語の授業がスタート。 *朝日町 木村博明教育長 「(生成AIが教育現場で)どういう分野が有効か、懸念があるのか、見極めはこれから必要。これからのデジタル時代に対応できる子どもたちを育てていく」 *新田知事 「家庭と学校以外の選択肢を増やすためにフリースクールなどの利用料を助成」 「学びの場」の選択肢を増やす取り組みも広がりました。 県はフリースクールを利用する家庭に対し、毎月最大1万5千円の利用料補助をスタート。 県レベルでは全国でも例がない取り組みです。 また各自治体では、 *リポート 「こちらの教室、ここが『校内教育支援センター』です。くつろげるソファもあってリラックスできる空間になっています」 「校内教育支援センター」は、今年度、県内6つの市と町が設置。 「校内フリースクール」とも呼ばれ、教室に入りづらい子どもたちが自分のペースで過ごせるよう学校内の空き教室を活用して教員などがサポートします。 さらにこんな動きも。 *協議会出席者 「引きこもりや不登校から抜け出して自分の社会参加を考えたときに学び直しをしたいという人もいる」 県教委が今年度新たに立ち上げたのが公立の「夜間中学」の設置に向けた協議会。 不登校の生徒の学びを支える場所としても期待されている「夜間中学」。 全国で開設が相次ぐ中、富山はこれから検討を進めます。 不登校支援の動きは民間でも。 「県不登校を考えるネットワーク」が新たに作成したのは「不登校よりそいマップ」。 県内60の民間団体、公的機関の情報などをまとめ、すべての小中学校に配布しました。 県内で不登校の児童生徒は最新の調査で3255人と過去最多を更新。 学ぶ機会を失った子どもたちへの対応が急務となっています。 少子化を背景に様々な子供を受け入れる学校のあり方を探ったこの1年。 子どもたちが安心して教育を受けられる環境の確保にむけ、来年も議論が加速しそうです。
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