「自分はダメだ」と思ってしまう内向的な人に教えたい…精神科医Tomy「人の本質的な魅力は絶対評価じゃない」「自分と他人を比較しなくていい」
株式会社マイシェルパが24年10月に発表した「メンタルヘルスとカウンセリングに関する意識・実態調査」によると、20歳~59歳のビジネスパーソンの約7割が悩みや不安を抱えているという。 もしかするとそんな人の中には、「内向的な人」が多いのかもしれない。 Xのフォロワー数は39万人超え、『「内向的な人」の幸福戦略 』(朝日新聞出版)の著書も大反響を呼んでいる精神科医Tomy氏に、内向的な人が人生を上手くやっていくにはどうすれば良いのか聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「健康情報の本質だけをまとめました」第4回。
内向的な人は劣等感を感じやすい
――自分が内向的な人かどうかは、どのようにしてわかるのでしょうか。 Tomy先生(以下、同) 社交的な人を見て、「羨ましいな」「ああなれたらな」と思うような人は内向的な人ですね。「言いたいことがあってもなかなか人に言えないな」とか、そんなふうに思うことがある人も、内向的な人です。 心理学的に「内向的な人」という定義がしっかりあるというよりは、「社交的な人」と反対の性質を持っている人が、「内向的な人」と呼ばれます。 自分一人だけの時間を作って、読書したり、考えたりするのを好む人ですよね。 内向的な人の中には、「自分は劣っている」と思いたがる人が多いです。自己肯定感も低い。 これまでの社会の常識として、「友達が多い方が良い」と刷り込まれてきているでしょう。「友達100人できるかな」なんて歌わされたりしますし。でも「友達が多い人」イコール「優れた人」、というわけではないですよね。結局、人間との関係は「繋がりの質」が大事なので、いざという時に助け合えるかどうかじゃないですか。アテクシは友達を維持するのは得意じゃないけど、こんなに楽しそうに生きています(笑)。
内向的な人が劣等感を感じないようにするためにはどうすれば良いのか
――内向的な人が劣等感を感じないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。 まず、自己分析することですよね。自己分析してみて、トータルで強みと弱みを考えてみることが大事です。 ただ、いくら自己分析したところで、劣等感が埋まることはありません。「自分はこんなところに劣等感があるな」と思ったら、そこについて深く考えすぎず、「あるな」と思うくらいで止めておけば良いんです。闇雲に劣等感を感じないでください。 ――とはいっても、人は他人と自分の能力を比較してしまいますよね。内向的な人の場合には特にそんなところがあるかと思いますが。 他人と自分を比較するのではなく、以前の自分よりも成長しているかどうか、という視点で自分を見られるようになると良いですよね。 前より少しでも上達していれば良いじゃないですか。そこを楽しめれば、劣等感に向き合っている暇もなくなります。 アテクシも本を出すようになってからは、アテクシよりも本が売れてる人を見ると「羨ましいな」と思うこともありますよ。でも「今回は前より良い本を作ったな」とか「次の依頼もきて書き続けられているから良いか」とか、自分の中での成長を喜ぶようにしています。 人の本質的な魅力って、絶対評価じゃないんですよ。スポーツ選手とかアイドルだからといって、必ずしも人から好かれる性格なわけじゃないでしょう。他人のことを馬鹿にしている人だったら、好きになりませんよね。 だから、前よりも成長することを楽しんで、誠実に振る舞っていれば大丈夫です。劣等感はひとまず置いておいて、昨日より前に進んでみれば良いと思います。そうしていれば、誰であっても魅力的な人になれます。 著者プロフィール 精神科医Tomy 精神保険指定医・日本精神神経学会専門医。1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1秒シリーズ」は、33万部突破のベストセラーとなった。『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の小説シリーズも反響を呼ぶ。『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomyが教える30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。
精神科医Tomy