「安かろう悪かろう」では売れない! ワークマン「防水メッセンジャーバッグ」が売れ続ける理由
ワークマンの最大の特徴は、高い機能性と驚きの低価格。 それは、長年屋外の過酷な現場で作業をする職人たちに、ワークウェアを提供し続けてきたノウハウがあるからこそ、可能になっている。 雨の日でも用いられるワークウェアに求められる重要な機能が、防水性である。今回は、ワークマンで長年売り上げランキング上位にランクインし続けている「防水メッセンジャーバッグ」の開発秘話を、株式会社ワークマン製品開発部第3部マネージャーの林邦彦さんに伺った。ワークマン公式アンバサダーであり、多数の共同開発製品を世に送り出してきた山田耕史が聞き手を担当する。
企画の起点は「お店の売り場」
山田耕史(以下、山田): 現在、ワークマンの店頭ではワークマンのPBと、ワークマン以外のメーカーが製造した製品が販売されています。前回、ワークマンPBのシューズが展開され始めたのが2017年と伺いましたが、ワークマンPBバッグが販売されるようになったのはいつでしょうか? 林邦彦(以下、林): 2018年の「撥水デイバッグ」が最初です。 山田: ワークマンで販売されるバッグには、どういった要素が求められるのでしょう? 林: 「丈夫」であることと、「低価格」は絶対条件です。ヘルメットや安全帯、各種工具、そして着替えといった、現場作業で用いられるアイテムをガバっと放り込んで持っていき、そして現場で多少雑に扱っても平気なこと。そして、汚れたり破れたりしても気軽に買い替えられる価格が求められます。 山田: ワークマンPBのバッグの開発は、どのような流れで進められるのですか? 林: ワークマンの店舗のほとんどは直営店ではなく、フランチャイズです。我々はそれぞれの加盟店の売り場にどういった製品を並べるか、ということを企画の起点にしています。職人向けのバッグでも流行り廃りはあります。以前はとても売れていたけれども最近はあまり売れなくなった、というような品番があれば、その品番が抜けたところに刺さるのはどういうバッグなのか。たとえばワーク系なのか、アウトドア系なのか、という風に考えてつくっています。