初の女性リーダーか4年ぶりの復権か、全米が注視…暴動や混乱警戒し警備態勢を強化
初の女性リーダーか、4年ぶりの復権か――。世界が注視する米大統領選は5日夜に開票が始まり、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)と共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)による大接戦の行方を支持者たちが固唾(かたず)をのんで見守った。 【地図】一目でわかる…全米の開票状況
激戦州のペンシルベニア州フィラデルフィアのイベント会場では、ハリス氏の支持者ら約100人が大型のスクリーンを前にビールを飲みながら、開票速報にくぎ付けとなっていた。
最近の世論調査では、激戦7州でハリス氏が巻き返し、史上まれにみる接戦となっている。トランプ氏が優勢な州について報じられると、支持者らは首を振って落胆し、「開票は始まったばかりだ」と気勢を上げた。イベントを主催した政治団体幹部カイエル・ハマハンさん(34)は「ハリス氏は若い有権者が求めていることを理解している。この国を前進させるのはハリス氏だ」と語った。
トランプ氏は大勢が判明した後、フロリダ州パームビーチの自身の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に近い会議場に姿を見せる予定だ。邸宅の近くでは、約20人の支持者が星条旗を掲げて開票状況を見守った。クリスチャン・メディーナさん(23)は「トランプ氏が大統領なら、ウクライナはロシアから侵略されなかったはずだ。トランプ氏が勝つはずで、そうならなかったら調査が必要だ」と興奮気味に語った。
5日は東部各州から開票が進み、西部各州で投票が続いた。アリゾナ州フェニックスでは締め切りが迫る中、100人近くが列をなした。トランプ氏に投票したデビッド・ロマノさん(36)は「バイデン・ハリス政権の4年間は物価高騰に苦しんだ。人々の生活を良くする有能な大統領が必要だ」と語った。
激戦州の開票所では、暴動や混乱を警戒し、警備態勢が強化された。
フィラデルフィア郊外の郵便投票の開票所では、郵便物を開け、用紙をスキャナーで取り込むなど、作業を九つに細分化し、警察官や警備員らが作業を見守った。リサ・ディーリー選挙管理副委員長は「円滑に、間違えないようにするため、最新機器を導入した。不正が疑われる要素は全て排除した」と語った。