SVリーグで得点誤記連発 システムトラブルかヒューマンエラーか 一刻も早い撲滅を
【ベテラン記者コラム】10月11日に、にぎにぎしく開幕したバレーボールのSVリーグ。世界最高峰を目指しての船出から1カ月半が過ぎ、トラブルが続いている。わずかな間に3度も、公式記録で得点の誤記が起きたのだ。大河正明チェアマンは「信頼性が失われる由々しき問題。十分な検証を行わず試合を進めたことに危機感がある」と語気を強めた。 1度目は10月13日の女子・大阪M対東レ滋賀。第4セット、大阪Mが14点目を挙げた際に、なぜか15点と表示された。2度目は11月9日の女子・PFU対群馬。第2セットでPFUが7点目を挙げた際に8点と表示された。3度目は同16日の女子・姫路対大阪M。第1セット、姫路が19点目を挙げた際に、20点と表示された。いずれも試合結果に直接的な影響はなかったが、見逃せない。 リーグでは今季から電子集計システム「eスコア」を採用している。判定を補助するものではなく、従来の手書きスコアに代わって得点や選手交代などを電子データとして積み上げるもので、国際連盟(FIVB)や海外のリーグも導入している。大きな会場で観戦した方は気づかれたかもしれないが、選手のローテーションが大型ビジョンに表示されていたのも、このデータと連係して可能となったものだ。 具体的には得点が入った際などに担当者(正スコアラー)がパソコンに入力していく。選手交代やチャレンジ、タイムアウトなどはチーム代表者(監督)がタブレットに入力して申請、いずれも電子記録として保存される。入力は手作業なのでヒューマンエラーの可能性は否定できない。一方、システムに何らかのバグが生じている可能性もあり、リーグでは両面での対策を進めている。 担当者は、主審のプレー開始の笛で「ラリー開始」のキーを押し、ボールデッドになったら「得点」キーを押す手はずだが、ログ解析の結果、3度とも「ラリー開始」後の0.1~1秒の間に得点が入力されていたという。これは現実にありえない時間であり、3秒以内に次の得点が入力されれば警告が出るよう改修を進めているという。 怖いのはヒューマンエラーだ。シーズン当初からeスコアとは別に、従来通り手書きで記録するバックアップスコアラーを置いているが、2度目までは、その場で誰も気づかなかった。また2度のミスを受けて3人目の得点確認者も置いたが、3度目の事案が起きた。