FW掛谷羽空のヘディング弾で浦和南が狭山ヶ丘に1-0勝利
令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)第2日は2月12日、準々決勝4試合が行われベスト4が決まった。今大会の出場校は、昨秋の第102回全国高校選手権予選のベスト8に加え、新人戦4支部予選で決勝に進んだ計16校となっている。 【フォトギャラリー】狭山ヶ丘 vs 浦和南 昨年のインターハイと全国高校選手権の両予選でともに準優勝した浦和南は、狭山ヶ丘に1-0で競り勝ち、2月17日の準決勝で2連覇を目指す武南と顔を合わせる。 浦和南と狭山ヶ丘は昨秋の全国高校選手権予選でも準々決勝で対戦し、この時も浦和南がほぼ同じ時間に先制点を奪って1-0で勝っている。 浦和南の昨年からのレギュラーはエースFW掛谷羽空(2年)だけで、狭山ヶ丘は不在。新たな戦力で結成したチーム同士の対決となった。 浦和南は182㎝の掛谷をターゲットにした長いキックを主体に攻め、芦川治奏(2年)と新井雄大(1年)の両サイドMFが、外からスピーディーな仕掛けを狙った。 狭山ヶ丘も河又達也、池田翔(ともに2年)のサイドアタッカーが時折、好クロスを供給する場面もあったが、前半はつなぎのパスでミスを重ねた。決定的なシーンはほとんど見られず、37分に左FKのこぼれ球からMF小池誠一朗(1年)が放ったシュートくらいだった。 浦和南にしても得点の可能性があった展開と言えば、20分に右CKのボールにMF森田開成(1年)が飛び込んだが、わずかに届かなかった場面だけ。シュートは1本も打てなかった。 こう着状態の打開を狙った浦和南は、故障明けで万全ではないMF日高大佑(2年)を後半19分から投入。日高は昨年の全国高校選手権予選に3回戦から決勝までの4試合に交代出場し、新チームでは攻撃の要人として期待されるアタッカーだ。 その日高が34分、左を突破して正確なクロスを送ると、中央で待ち構えていた掛谷が得意のヘディングで合わせて待望の決勝点を挙げた。 狭山ヶ丘は前半26分に負傷した主将のCB田口将秀(2年)が交代しただけで、先発の陣容が最後まで奮闘。後半15分にFW竹内脩二(1年)が、右に外れる惜しい一撃を放ったのが唯一のシュートで、後半は思ったような攻めの形がつくれなかった。 昨年は南部支部予選3回戦で敗退し、新人戦の県大会にも関東高校大会予選にも出場できなかったが、1年後は堂々のベスト4進出。しかし野崎正治監督は「去年の経験者も(ほとんど)いないし、選手層も薄くて厳しいチーム事情ですよ」と首をかしげる。 ここまでは例年通り個を伸ばす練習を積んできたそうで、いろいろ教え込んで戦い方を練り上げるのはこれから先だ。 質の高い攻撃はほとんど見られなかったが、そんな中でも良かった点を尋ねられると「危ない場面もあった中で無失点に抑えたことですかね。まじめに全員で頑張るところは褒めたい。準決勝も戦えるのでいい経験を積みたい」と、いつものように勝っても手綱を締めるばかりだった。 掛谷の背番号は昨年の24から10番に変わった。この日の唯一のシュートが決勝点になったが、「クロスのうまい日高と練習していました。あの場面も自分の所に来ると思った。ドンピシャ(のボール)でした」と喜んだ。 背番号10については「去年10番を付けていた伊田(朋樹)さんから、たくさんの好クロスが上がってきたので、同じ10番の自分は1本のクロスで1点を取れる選手になりたい」と大黒柱としての責任感を示した。 (文・写真=河野正)