築300年、北播磨最古級のかやぶき民家「奥田家住宅」特別公開へ 11月30日、小野市
約300年前の江戸時代中期に建てられた兵庫県小野市中番町の「奥田家住宅」(同市指定文化財)が11月30日に特別公開される。北播磨最古・最大級のかやぶき民家で今も住居として使われている。所有者の了解を得て、普段は非公開の内部を同市の歴史博物館、好古館の学芸員に案内してもらって見学できる。(坂本 勝) 【写真】古民家の欄間を生かし、姫路城の狭間をイメージした白い天井が特徴的な店内 奥田家は江戸時代に小野藩中番村の大庄屋を務めた旧家。住宅は入り母屋造りかやぶきの民家で、当時の本百姓の一般的な住宅が間口、奥行きとも6・3メートルで約40平方メートルなのに対し、間口15・3メートル、奥行き9・9メートルの約150平方メートルと大きい。江戸期には藩主の領地巡見の際の休憩所となった。 中に入ると広いニワ(玄関)があり、左手が奥の間や納戸など6室に分かれた居室部分になっている。播磨地域の古民家の特徴を伝える様式で、かつては戸口左脇に風呂場があり、中の間には年越しの際、新年の恵方に向けて年神の棚をつって祭った恵方棚が残る。2002年に市指定文化財になった。 現在は奥田家33代目の奥田治也さんと多香音さん夫妻が管理する。かやぶき屋根南側のふき替えなど修理工事をした22年9月にも一般向け見学会を計画したが、台風で中止となった。市教育委員会の文化財保存活用地域計画が23年12月、文化庁に認定されたことを受け、歴史遺産を生かす取り組みとして開く。 午前10、11時、午後1、2時から各1時間で先着20人ずつ。無料。住所、名前、電話番号、希望時間を記し、11月1~15日にファクス(0794・63・3462)やメール(kokokan@city.ono.hyogo.jp)、または小野市公式LINE(ライン)で申し込む。好古館TEL0794・63・3390