【ラグビー】早大6年ぶり対抗戦Vへ日本代表FB矢崎由高合流「ブレイクに期待」大田尾竜彦監督
関東大学ラグビー対抗戦で6年ぶりの優勝を目指す早稲田大の大田尾竜彦監督(42)が2日、日本代表FBに定着した矢崎由高(2年=桐蔭学園)の融合に期待を込めた。 7日の対抗戦開幕を前に、都内で開かれた共同会見に出席。同大学は14日の立教大戦(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場)からの戦いとなり「アタックの哲学は大きく変えていない。由高も去年1年間やっている。なじませるためにプレータイムを長くすることは、あまり考えず、コンディションのいい選手たちをどんどん出していきたい」と言及した。 日本代表は1月からエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ体制となり、矢崎は6月のイングランド戦から非テストマッチを含めて6試合連続で先発。8月25日(日本時間26日)のカナダ戦(バンクーバー)から帰国後、大学へと戻った。3日間ほどはコンディション調整に重きを置き、4日目から本格的に合流。大田尾監督は「今のところはFBで考えている。組み合わせによってはWTBをさせる可能性はありますが、あくまでそれは可能性です」と起用法について明かした。 自身もヤマハ発動機(現静岡ブルーレヴズ)で長く活躍し、日本代表キャップを保持する。第一線を知るからこそ「リーグワンでやっている人たちと過ごすのは、すごく大きい。練習の時間外のトレーニングに対する取り組み、休養や栄養に対する意識は、社会人と大学生で一番違うところだと思う。本当のプロの準備を感じてくれたらいいと思っていた」とし、代表活動優先に理解を示してきた。 当初からU20(20歳以下)日本代表活動が見込まれていたため、前期の単位は控えめに履修登録。後期に重点を置いており「最初から日本協会との話し合いで大学の単位取得、卒業に関して、ご理解をいただいてきた。その中で我々も(代表で)チャレンジさせるところはさせたいし、試合に出られるところは出したいという思いがあった。未定なところはありますが、基本的なベースは大学となる」と秋から冬にまたがるシーズンの見通しを示した。 チームは8月の長野・菅平合宿で全国大学選手権3連覇中の帝京大に38-14で勝利。昨季関西2位の天理大に35-64で敗れるなど課題もあるが「スクラムはしっかりと組めていると思う。1月からやってきたことの自信はある。ただ、それはあくまでも自分たちの方向性の自信であり、チームの勝ち負けや完成度は12月になると別」と言い切る。 日本代表活動を経験したフッカー佐藤健次主将(4年=桐蔭学園)らを軸とし、得点源として期待される矢崎には「今までだったらタックルされて詰まっていたところを、1~2人抜いていく。アウトサイドのブレイクを期待したい」。就任4季目は対抗戦の頂点を通過点に、5季ぶりの大学日本一を狙う。【松本航】