B1仙台89ERS 12万人来場祝いの白星…Bプレミア参入条件の1つクリア
◇B1リーグ第35節 仙台89ERS85ー83北海道(21日・ゼビオアリーナ仙台) 仙台89ERSはホームで北海道に85―83で競り勝ち、1月の川崎戦以来のホーム連勝を収めた。この日で年間来場者数が12万2358人となり、2026年に始まるBプレミアへの参入条件の1つである1試合当たり平均4000人以上の基準をクリア。新たな国内最高峰リーグへの歩みを一歩進めた。 *** 勝利のブザーが鳴り響くと、仙台の選手たちは喜びを爆発させ、黄色に染まったアリーナが歓喜に沸いた。年間来場者数が12万人を超え、Bプレミア参入の条件の1つをクリア。青木保憲主将(28)は「記念すべき試合で皆さんと一緒に勝利をつかめてうれしい」と応援に感謝した。 前半は相手に3点シュートを8本決められるなど、第2クオーター(Q)序盤には最大17点差をつけられた。それでも藤田弘輝ヘッドコーチ(HC、38)が「人もボールも動かすうちの攻撃をしよう」と奮起を促すと、後半は挽回。第3Q残り1分3秒でPG渡辺翔太(25)が3点シュートを決めて同点に追いつくと、第4Qでも残り51・5秒で渡辺が「自分の役割を全うしようと思った」と、3点シュートを成功させ85―80。直後に2点差まで迫られたが振り切って1月以来のホーム連勝をつかんだ。 今季は2026年から始まるBプレミアの最終審査の年。アリーナ・入場者・売上高の3つの条件のうち、昨季のホーム戦平均3375人の仙台にとって観客数は大きなハードルだった。それでも藤田HCが「今季はこれまでで一番、街で声を掛けられることが多い」と話すように、宮城全域にファンを増やそうと「市町村黄援デー」を設けたり、バスケットゴールを設置するプロジェクトを進めるなど「バスケで仙台・宮城を盛り上げたい」と地域と一体となって活動する姿勢が応援の輪を広げた。 ■本拠地5割だ新たな目標! 今季目標に掲げた30勝は、17日のアウェー宇都宮戦で敗れてついえた。それでもすぐに「残りのホーム戦を4連勝で終えよう」と本拠地勝率5割を新たな目標に掲げ、ギアを落とすことはない。青木主将は「1年間いいチームをつくってきたからこそ、やり切ろうという気持ちです」。残り4戦、“黄援”とともにラストスパートする。 (秋元 萌佳) ◆Bリーグプレミア参入条件 入場者数平均4000人以上、売上高12億円(バスケ関連9・6億円以上)、座席数5000席以上などのアリーナの3つが求められる。昨季の仙台は入場者数平均3375人、売り上げ7億円、座席数4300席とどれも基準を満たしていなかった。初回審査は24年10月に行われる。
報知新聞社