水路から転用された三重県道745号 自動車通行不能区間に眠る「立梅水路」の廃隧道
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、三重県にある"廃隧道"を巡りました。※許可を得て撮影しています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します) 【動画】車が通れない県道に眠る廃隧道の内部は【3分55秒~】
水路を県道に転用 自動車通行不能区間に眠る旧水路の廃隧道
多気町と松阪市を走る県道745号には、全長19kmのうち1km弱ほど自動車通行不能区間が存在。多気町の県道745号片野飯高(いいたか)線起点から西へ進むと、2車線道路から次第に狭い道へと変わり、県道と並行して「立梅(たちばい)水路」を水が流れています。 「立梅用水」は1823年、田んぼを開拓しお米を作るための農業用水路として、櫛田川から取水して造られました。工事にはのべ24万7千人が携わり、全長30kmにも及ぶ長大な水路のおかげで水田は潤い、苦しい農民の暮らしが救われたと言われています。 「立梅用水」はしばらく県道745号と並走し、途中で昭和46年(1971年)に造られた「立梅隧道」へ水が流れていきます。一方、県道は狭い道から再びセンターラインのある道へと変わりますが、突然途切れ、草に覆われた自動車通行不能区間へと変貌。未舗装でありながら、歴史が感じられる石積みの路盤になっています。 自動車通行不能区間には、切り通しと廃隧道が存在。現在の水路は「立梅隧道」を通っていますが、それ以前は櫛田川沿いに水路があり、途中この廃隧道を通って農地へ水を運んでいました。 「立梅隧道」完成後、旧水路を県道745号に転用しましたが、「新たに国道368号が造られたことで県道の整備が進まず、自動車通行不能区間になったのでは」と道マニアは言います。 切り通しの先には旧水路の廃隧道が連続して2つあり、その先は再び車が通れる道と繋がります。
個人が造った隧道!?材木の運搬に使われた「赤岩隧道」
紀北町(きほくちょう)の赤岩近くにある小山には、使われなくなった「赤岩隧道」が存在。天井が低くこぢんまりとしており、手前はコンクリート巻き、奥は素掘りの状態です。 紀北町は大部分を森林が占めていて、昔から林業が盛んな地域でした。かつては奥地で伐採した木を筏(いかだ)で川に流し運び、海沿いの貯木場に集め、そこから必要な材木を町の製材所へ運搬していました。 近隣の方の話によると、この町で製材所を営んでいた人が地域の利便性を図るため、人道用として「赤岩隧道」を個人で掘削。貯木場から材木を大八車(だいはちぐるま)に乗せ、「赤岩隧道」を使って運搬していたそう。 また、東南海地震が起きた際や戦争時には、「赤岩隧道」へ避難することもあったと言います。 7月16日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より
CBCテレビ